見出し画像

なぜ働いていると本が読めなくなるのか2(文学は心を扱う④)

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆、2024)は、読書と労働の歴史を紐解き、労働しているとなぜ読書ができなくなるのか、を問うている。

第一章から第三章までは、明治時代から昭和戦中までの、労働と読書の関係性について書かれている。

明治時代、句読点、黙読が生まれた。現在の読書スタイルのはじまり。
図書館もできた。
修養(のちの教養)も生まれた。

大正時代、読書人口が増加。
辛いサラリーマンの誕生。
そして戦中、戦後。

第四章は、1950〜1960年代についてだ。
戦後の復興、高度経済成長、昭和のモーレツ社員、そして長時間労働。

私の仕事は、1日12時間以上続くことがある。
昔は、土日祝日にも仕事があることがあった。
この頃は少しマシになってきたが、それでも長時間労働について、まだまだ改善の余地があると感じる。
長時間労働=長時間拘束については、今後さらに改善されることを夢見るのみだが、私のあらがいとしては、「散漫力の活用」がある。

「散漫力の活用」とは、佐々木俊尚氏の『読む力大全』に書かれていた言葉だ。

「スマホをしまえ」には無理がある。集中力なんてなくてもかまわない。「持続しない集中力」「散漫力」を利用してしまえばいい。

佐々木俊尚『読む力大全』(pp50-58)

このnoteへの投稿も、「毎日ちょっとずつの集中」を繰り返してやっているのだが、だいぶ様になってきた。
書いていなかった頃より、よっぽど文学的で、知的で、クリエイティブで、充実している。
(2024/09/29現在、Kindle Unlimited読み放題で読めます。)

佐々木俊尚氏はすごい表現者だと思う。
noteもされている。
出会いは確か、『3時間で「専門家」になる私の方法』であった。
佐々木氏のVoicy「毎朝の思考」も毎日聴いている。

いいなと思ったら応援しよう!