ご褒美ポケット(日々の切り取りエッセイ)
早出の満員電車は、
とんでもなく混んでいるけれど、
コツさえおぼえて図々しく、
または、ぼーっとしている人たちを、
なぎ倒す覚悟の強い意志さえ持っていれば、
案外乗り越えられると、昨年のトライの中で発見。
「リトル、お願い」
と、一緒に乗り越えるイメージをしながら。
入口付近にたまると、とんでもない地獄になるので、
なるべく真ん中のポケット(空間)に潜り込んで、
ほっと一息つく。
昨日(金曜日)はご褒美か?
というくらいツイていて、
真ん中のポケットにすんなり行けたし、
またわたしの周辺に、油膜がはったように人がぐいぐい来ないミラクルが起こった。
わたし一人広い空間を独り占めし、
雨上がりの美しい海を眺めながら、
なんなら瞑想に近い境地に達したミラクル。
ブルーツゥース越しに流れる音楽は、
高木正勝さんの「Rama」。
昨年、
天草のバスターミナルから、
崎津集落までエンドレスで流していた厳かな音楽。
(2023年、わたしが一番聴いた曲です)
何年もこの風景を眺めているけれど、
同じコントラストが繰り返されることはなく、
飽きることのない美しい海の風景。
昨日は、
美しさにおもわず涙が出てしまい、つい写真を撮った。
ご褒美の贅沢なポケットで。
右サイド、
左サイドの衆すまない。
君たちがぎゅうぎゅうのあいだ、
一人ちがう境地に行ってしまって。
満員電車でも、
こんなミラクルがあるのかと驚いた昨日の朝なのでした。
美しい景色がそこに広がっているのに、
スマホに集中なんだかな。
ま、価値観人それぞれ。