28. 娘を亡くした後、友達からの一番嬉しかった言葉

娘を亡くしてから友達と会う気力が
無かったのだけど、
娘の死後5カ月頃、
小学校からの友達から誘いを受け、
会う事になった。


娘の話を聞いてくれて
ホロッと泣いてくれたのだけど

今後の事など話していると

「思ってるだけで何もしなかったら
何も変われへんで!」

と言った。



𠮟咤激励してくれたのだけど
まだ全く傷が癒えていない私には
きつかった。



ただ今は
話を聞いて共感してくれるだけで良かった。



友達が悪い訳ではない。
私が今、どん底だから。



まだ友達と会うのは早かったと思った。



半年が過ぎた頃、
中学校からの友達が心配して
家にきてくれる事になった。



その友達も
娘の話をちゃんと聞いてくれたのだけど

「でも (あなたは)十分幸せやと思うよ。」
と言った。



確かに独身の友達から見て
結婚して夫もいて
普通に生活もできている私は
幸せなのかもしれない。



頭では分かるのだけど
まだ暗闇から抜け出せない私に
その言葉は受け入れられなかった。



友達が悪い訳ではない。
今の私は特に
ガラスのハートだから。



同じ経験をしないと
やっぱりこの辛さは分からない。

でも、仕方がない事だと思った。



娘の死後9カ月頃、
高校生からの友達が
家に来てくれる事になった。



その友達も
二人目の子を心臓病で亡くしている。



娘の話をすると
アドバイスはせず、

「辛いな・・・。」

と、ただ一緒に泣いて、
共感してくれた。



そして、友達の亡くなった赤ちゃんの話も
してくれた。


友達もよく泣いていたと言う。


今ならその気持ちもよく分かる。



同じ悲しみを経験した友達と
辛さを共有できて良かった
と思った。



友達が帰ってから
話を聞いてくれたことの
御礼のメールを送った。



その友達からの返事には

「話を聞いていて、
外ちゃんがどんなに蒼ちゃんの事を
大事に思っていたか伝わってきて
蒼ちゃんは幸せやったんやろうな、
と思いました。」

と書かれていた。


そのメールを見て、
私は嬉しくて涙が溢れた。


「蒼ちゃん、がんばったよ」
とか

「長く生きる事だけが幸せではないよ。」

とかは言われたけど

「蒼ちゃんは幸せだったよ」

なんて誰も言ってくれなかった。



それは

「そんなに愛してもらえて
あなたの子供に生まれて
きっと幸せやったよ」


そんな風に言われたように感じて
とても嬉しかった。



その言葉は
同じ経験をした彼女だから
言えた言葉で

彼女自身、言われたかった言葉なのかもしれない
と思った。

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