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英詩のテキストとフースーヤ

ポエティックで、ちょっとアカデミックな話ですが、、

筆者が学生時代、英文学(英詩)の授業ではこんなテキストが選定され、それはもう四苦八苦しておりました。

悠に25年以上も前の話で、その内容なんてものは勿論覚えておりませんが、とにかくこのコマの教授が厳しかったことと、皆で頑張って読み合わせなどをして、試験に臨んで、どうにかこうにか単位を得たことは覚えております。

「ポエジャン」というフレーズに触発されて、捨てずにとっておいたこのテキストを、再び手にとって開いてみました。勿論、内容はチンプンカンプンです。まして英語で書かれてるし、、、しかし、折角なので、数ページだけでも頑張って読破してみようと試みました。そして、そこにはなかなか興味深い「例え話」が書かれておりました。

詩を読むことと、テニスをすることは似ている。優れたテニスプレイヤーは相手の一挙一投足に注意を払い、縦横無尽にコートをかけめぐり、ボールに対応していくが、そのための努力を費やせば費やした分、試合を楽しむことができる。詩を読む場合も同様で、精神的な努力を費やせば、その分、詩を楽しむことができる。
テニスと違うのは、詩は読者に「勝利」を望んでいるのではない。放ったボールに手を伸ばして欲しいが、それを打ち返すことを「望んで」いる。

Perinne's Sound and Sense: An Introduction to Poetry pp.28-29. 筆者意訳・抄訳

巧いことおっしゃる。しかしこの箇所から、筆者はフースーヤの漫才と、それを視る自分自身を重ね合わせてしまいました。

フースーヤは2016年にフジテレビ「新しい波」という芸人発掘番組のオーディションに合格し、ナイナイ岡村隆史さんにハマるという実績(Wikipedia参照)を始め、年月を経て2023年にはNHK上方漫才コンテスト決勝に進出。しかし、2023年NHKは、確かにフースーヤを見ていたのですが、そこまで印象に残っていることはなかったのです。

しかし、2023年M-1敗者復活戦で爪痕を残したくらいから、筆者もようやくその面白さに追いついた感じであります。そして2024年NHK上方漫才コンテストでの優勝は文句なしでした。

センターマイクを挟んで、縦横無尽に体と言葉を操る様は、上述の「テニス」の例えにも似た感じがします。サーブやスマッシュの精度があがったり、球際に強くなったり、と。彼らの場合、基本「プレイスタイル」はずっと変わってはいないのですが、そうしたワンプレーワンプレーの精度が、2023年M-1くらいからグッとあがってきたのかも知れません。

そして、それを筆者が「笑える」ようになったのも、受け側として、彼らの「ボール」を追えるくらいには、鍛えられ、慣れてきたからなのかな、と。

2024 ABCお笑いグランプリにおいては、筆者の中では、優勝した令和ロマンより、フースーヤがイチウケでした。しかし、結果は及ばず。それを受けての、スーパーマラドーナの考察動画が非常に参考になりました。

こちらも、いわばサーブレシーブの精度、つまりはネタ選びやワードセンスなんかが、もうひと段階あがれば、もっと行ける、ということでしょう。M-1決勝出て欲しいなぁ。

#読書感想文

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