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FAR: Lone Sailsの話

先日、表題にある通り「FAR: Lone Sails」というゲームをプレイしました。ゲームとしては滅んだ世界の中を自分の船でとにかく進んでいく、リトルナイトメアやLIMBOのビークル版みたいな感じです。んでこれがめっちゃ良かったのでその感想と、ちょっとだけ考察みたいなものです。

「かつて海だった場所…滅びゆく文明の残骸が点在する世界…「船」の帆を広げ、風を受けて進め。無数の障害を乗り越え、過酷な天候に耐え抜け。いったいどこまで行けるのか?そして君は何を発見するだろうか?」
-Steamの説明文より-

ポストアポカリプスな世界観

ザ・滅んだ世界な「WE BUILD OUR FUTURE」

主人公がひたすら右へ右へと進んでいくこの世界ですが、通り過ぎる景色は荒廃し、人工物もほとんどがその役目を終えて朽ち果てています。そんな世界をたった一人で旅する孤独感はなかなかですが、忙しい船の操縦と所々で見つかる人間の名残のようなものがそれを紛らわせてくれます。

各所で拾える文明の名残を感じるアイテムたち
左から船の模型、最初の家の郵便ポスト、ベル、鉢植えの花、熊?の置物

この文明の名残シリーズがとてもいいアクセントになっていまして、ただ滅んだ世界を進むだけではなく、人間の痕跡を見つけ、残されたアイテムや建造物から少しだけぬくもりを感じ、そしてそれを積み込んで大切に抱えておくってことができるんです。この一連の行為を通して、世界に一人ぼっちの孤独感とそれにささやかに抗うために人々の痕跡を抱え、どこまでも進んで誰かを探しているんだという動機を感じることができます。ただ右に船を動かすだけじゃないと、ゲームへの没入感を高めてくれるのです。

可愛らしい相棒の船

主人公の乗る船は大きな車輪がついた赤い船?です。エンジンを動かして進むこともできますし、帆を上げれば風を受けて燃料を節約することもできます。どことなく動物みたいなデザインのかわいいヤツです。

船の内部 燃料を入れると動くエンジンも積んである

この船、できることといえばゆっくりゴトゴト右に進むのみですが、かなり燃費が悪いうえ定期的に溜まった蒸気を開放してやらなければいけないため、止まらず走らせようとすると割と操作が忙しいです。ちょっと乱暴に扱えば壊れるし、沼にもはまるし車輪も欠けます。しかしその程よい忙しさや、定期的に火を噴いたり火花を散らしたりするパーツを修理した経験、また壊れた部品を取り換えたり、雹の降る夜を何とかしのいだりといった思い出がつもり、自然と自分の船に愛着を抱くようになりました。初めて炉に火を入れた瞬間から、上り下りしにくいエレベーターにすら慣れて大事な「相棒」だと感じるようになるまで、とても丁寧な導線でした。

満身創痍の「相棒」

そもそも私自身が、スチームパンクな機械が好きってのもあります。吐き出す蒸気やがちゃがちゃ動くピストンはがんばって「働いてる感」があるんですよね……それもあってこの船にとても入れ込むことができました。

程よい難易度と音楽

難易度としては、船の操縦も道中にあるパズル要素もそこまで難しくはありません。いろいろと試してみましたが、詰み要素も丁寧に排除されていると思います。

そして音楽が素晴らしいんだこれが……一つ例を挙げるとこちら、最初に船のエンジンを動かしたときに流れるBGM、いわば冒険の始まりを飾る曲です。

「Colored Engine」、色づいたエンジンってところでしょうか。機械らしい力強さと一人旅の気楽さ、ここから始まる冒険への不安と期待を感じさせてくれる素晴らしい曲です。

ストーリーの考察

といってもそこまで複雑なストーリーのあるゲームではありませんが……何週もするうちにいくつか気づいたことがあるので、主人公の出自や船の開発者、物語のその後について少しだけ書きます。

このゲームは、主人公が誰かのお墓らしき場所にひざまずいているシーンから始まります。墓石には豊かな髭を蓄えたおっさんの写真が置いてあります。

おっさんのお墓と主人公

そしてそのすぐそばに、おっさんと主人公の家と思われる建物があります。家の中には船の設計図と、左上の隅に髭のおっさんともう一人、赤いネクタイのおっさんが写っている写真があります。友達のように見えますね。

おっさんの右手にあかい何かがぶら下がっているが、何かの道具だろうか
幼い主人公だったらほほえましいけれどそこまで細かくは判別できない

ちなみにこの家には主人公のベッドらしきものとその近くに子供の落書き、さらに床下にはあかい乳母車があるので、主人公がこの家で育ったのは間違いなさそうです。おっさんに小さいころから育ててもらっていたのでしょうか。

また、ゲーム終盤、主人公が乗る船の巨大版みたいな乗り物に乗り込むことになるのですが、その中に何枚かの絵が飾られています。船を背景に誇らしげなキメ顔の構図から推測するにどうも赤ネクタイのおっさんは発明家だったようで、髭のおっさんと主人公の船を作った後いくつかの作品を経てこの巨大船を発明したようです。

主人公の船(おそらく初期型OKOMOTIVE)とOKOMOTIVE V2
OPPIDUMOTIVE?のPROTOTYPEとVI型
でっけぇ船

旅をしていると、この船と似た形をした残骸がそこかしこに目につきます。それもゴールの海に近づくにつれ増えていき、最後はたくさんの船が乗り捨てられた砂浜にたどり着きます(ネタバレがあるので画像は載せません)。このことと道中のラジオに電波が入ったことから考えるに、おそらく人類は完全には滅亡せず一部は主人公と同じように海を目指したのだと考えられます。そして、エンドロールの後、私の聴き間違いでなければかすかに汽笛が聞こえるのです。ゲームが終わったよという演出である可能性も捨てきれませんが、私はやはり主人公が発見され、海に出て行ったほかの人々と再会できたのだと信じたいです。

最後に使いどころがなかったスクショを雑に貼って終わります……どこで撮っても美しいので余っちゃうんですよね、良かったら見ていってください。

夜明けが美しい
夕焼けも美しい
星空も癒し このゲーム世界が綺麗すぎる

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