Graded Reader批評レビューネタバレあり
つい先日なんやかんやあってGraded Readers ' bookを一冊読まなきゃいけなくなり、『Return to Earth』というのを読んだんです。
Graded Readerシリーズというのは言語を学んでいる人なら必ずといっていいほど出会うもので、レベルごとに異なる難易度の語彙で書かれている本です。
私は普通の洋書の方が内容がしっかりしていて楽しめるんですが、(ここから偏見はいります)大体の言語学校って読書嫌い!って人が多いから短めで難易度が高くないGraded Readerが好まれるんですよね…
内容的にも、適当にはしょった感じが好きではない。
私の先生は皆Extensive Reading!簡単なのを読め!って感じで、私からしたらprieching to the choir状態ですよ。(笑)
『Return to Earth』
Sci-fiらしき内容。Sci-fiファンは細かい設定が気になってしまうからやめた方がいいかも。
大体の話はこんな感じ。
主人公がガールフレンドを残して宇宙に旅に行く。その宇宙船では10年辺りしか時間は過ぎないが、地球だと何百年とかかる。これはよくSFで出てくる”Time dilation”という現象ですね。
物質の速さが光の速さに近づくと時間の流れが影響を受けてうんぬんかんぬん。要するに光速に近い速度で動いてる人(多分スーパーマンとか)とそれを見ている人とでは経験する時間経過が違うんです。詳しく知りたい方にはCarlo Rovelliさんの”Reality is not what it seems"がおすすめです。相対性理論についてわかりやすく説明してくれてます。
で、その女性が人がテレパシーを使えるようになるとミステリアスなことを言う。
っていうのが基本的なお話。
ええっ!
読んでてなんですって!ってなった部分があったのですが、それは主人公含めた宇宙飛行士達が地球に戻ってくるシーン。
地面に着陸して、外にでる前にあるキャラクターが環境をチェックしている。周りには普通に木や草があって日も出ているのが絵でわかる。特に問題もなさそう。
そこでそのキャラクターが、言うんです
”… and there is no radiation!"
???????
Radiation(放射線?)って基本的にどこにでもあるよね???
Cosmic background radiationみたいな宇宙から来るビッグバンの残り物とか、UV(Ultra violet light)とか浴びすぎると皮膚がんになったりするし放射線と似たようなものだよね?
私の記憶があいまいだったので調べた。
そもそも私の考えたRadiation の定義が間違っているのではと思いGoogleで見てみると、
電磁波として発生するエネルギーのことや、放射線のことも意味するみたいですね。
結果として自然環境からradiationを取っ払うのはほぼ不可能。この本の描写は科学的に正しくないことがわかる。
おわりに
やっぱり本を読むときは自分で選んだ方がいい。
放射線について調べているときに、福島の処理水放出問題のニュースを思い出しました。問題ない量の放射線しか検出されなかったのにかかわらず、多くの人が処理水放出に反対していましたよね。放射線を完全に取り除くのはどうやっても不可能なのに、神経質になってしまうのは人間の性ですよね。
最後まで読んでくれてありがとうございます!