僕の人生狂想曲〜社会人ファンファーレ〜
初めての就職、初めての社会人、初めての店舗。
出会いあり、叱責あり、別れあり、殴打あり。
時代的にハラスメントを満遍なく挟んだ僕の美容師生活。
目の前に置かれた仕事という命令を何も考えず必死にこなした。
そしてルーティン化した業務は徐々に僕から意思を奪った。
そう、気づけば僕は会社に従順な社畜になっていた。
欠員が出たら代打出勤し、高熱が出て病欠を申し出ると根性が無いと言われる。
上司に誘われて居酒屋に行くが常に一気飲みをさせられるが、相手はそれで奢った気分になっている。
与えられたことをこなし、自分の仕事量に見合わない薄給をもらう。
ただただ家と職場の往復を繰り返す。
この頃に出会ったのがカロさんである。
ギャル男でチャラい僕は当時敬遠されていたが
タイミングよく二人で飲む場面になった時に自分の状況を相談したことがある。
こう言われた
「N青木くん、このままでええの?」
僕はその言葉で目覚めて独立をする決心をした。
後に知るが、実際には注文をするときに
「次、生でええの?」と言ったらしい、、、
でも思い込んだら爆走できるのが僕の特技である、
七転八倒、紆余曲折がありながらも晴れて独立開業できた!!
開業して一ヶ月、カロさんにはじめて報告した
「無事開業して一ヶ月経ちました!!」
「、、、おめでとう」
この人がなんの冗談も皮肉も言わないことに違和感があった。
共通の知人に聞くと開店祝いで高価な日本酒を用意して開店はいつかいつかと楽しみにしてくれていたそうだ。
それを僕が告げなかったので、もうこの日本酒は役目がないねと言って寂しそうにシンクに全て流したらしい。
申し訳ないなとも思ったが、まぁ祝いものとは人が勝手にするものだし、今更何か言っても仕方ないので特に謝罪しないまま今に至っている。
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