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マイダイニングテーブルダイアリーズ

間違いなくNEW N.O.T.E家の主役である深緑の天板がかっちょぶーなダイニングテーブルの前に座ったボクは食後のコーヒーをズズズと啜りながら、自分なりにいい感じにまとめ上げた新居のリビングをぐるりと見回していた。

すると、テーブルを挟んで右斜め前に座る妻が

「お父さんって典型的な和室顔だよねー」

とか抜かし、いや、言い始めた。

自分のインテリアにご満悦なボクの姿が癪に触ったのか、それとも、単に、そのときの頭に浮かんだことをそのまま口にしたのかは定かじゃなかったけど、その彼女の一言に、確かに僕は突然、冷麦を頭の上からぶっかけられた往年の志村けんのような心境になった。

だから、僕は

「マジかあー!マジっすかー?」

と我ながらちょっと大袈裟に騒いで見せたのだけど、妻はまったく動ずる様子を見せず、いや、それどころか、

「和室顔だよー。それも普通の和室じゃないよ。汚部屋の和室、汚和室顔よ」

と畳み掛けてきた(和室だけに…)

(「こいつー!やはり僕のことが癪やったんやなあ」)

内心、そう思いながら、歯ぎしりして彼女を睨みつける僕の様子を見た、テーブルを挟んで僕の正面に座る息子が、堪え切らず、

「ギャハハハハ!」

と爆笑し始めた。

こうなると、もう勝敗は決したも同じだから、僕は素直に自分が和室顔であることを認めた。

そして、気持ちを切り替えて、リビングの隣にある和室のコーディネートについてアイデアを巡らしたのだった。

「実際、自分が和室顔なのは自分でも分かっとたわい!」

と心の中でそんな負け惜しみを呟きながら。

そんな金曜夜8時に繰り広げられた、僕らN.O.T.Eファミリーによるくだらな過ぎて記事にするのも(実は)躊躇していた攻防戦。

しかし、これからそんなチープでファニーなドラマがこのダイニングテーブルを挟んで、どれくらいの数、繰り広げられるのだろうか。

それを想像するだけで自然と頬が緩む自分がいたから、

たとえこれからどんな未来が待ち受けていたとしても、

僕らはきっと大丈夫だ

とそのとき僕は思ったんだ。

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