そして、君はレイチェルになる

新聞も読まずネットニュースも見ない世知に疎い僕のもとにまた悲しすぎるニュースが届いた。

会ったこともない有名人なのに、なぜだろう。

あれ以来、ずっと彼女のことを考えると涙ぐんでしまう。

きっととても強い覚悟を持って、なりたい自分を目指すことに振り切った彼女は、本当にマンガのヒロインみたいに、どんどん綺麗になっていた。

と同時に、僕は別のある感想を抱いていた。

それは僕が好きなヒップホップデュオの彼女にどんどん似てきているなあ、というもの。

しかも、名前も似ているから、なんか面白いなあ、と。

そして、いつしか新曲のPVでその二人が共演する姿を想像して、勝手にほくそ笑んでいた。

結局、それは永遠にかなわない夢になってしまったけれど、今は、ただ

お疲れ様

と言いながら、そっとあたたかい

ホットミルクを差し出したい気分なだけだ。

どうか

どうか

どうか

安らかに。