うかつにも生き残ってしまった僕たちは…。
正直なところ、1999年7月に恐怖の大王が空から舞い降りてきて世界は滅亡するって割と本気で信じてたから、なあんにも起きなくてホッとする一方で、
これから僕はこの長すぎる延長戦をいったいどういう風に過ごせばいいんだ
と途方に暮れてしまったのも事実である。
世界は確かに滅びなかったけれど、少なくとも日本はその後、失われた世代(ロスジェネ)なんて言われるくらいの長期低迷期に突入し、それから一度も浮上することもないまま、現在に至る。
そして、みなさんご存知の通り、将来の展望も決して明るいものじゃない。
そのイケてない時代を僕らはずっと他人(政治家や上の世代)のせいにして、まるで自分は被害者のように振る舞っていたけれど、本当にそうだったのだろうか?
輝かしい時代を創れなかったのは、本当は
僕たち自身
だったのじゃないだろうか?
というのも、あのときうかつにも生き残ってしまった僕たちは、結局、明るい未来予想図を描けないまま、ここまで来てしまったような気がするからだ。
そして、そんな僕たちは
ウォークマンもスーパーマリオも一眼レフも新幹線もカップヌードルもドリフもダウンタウンも
何ひとつ生み出せなかった。
少なくとも僕は、そんなふがいなくて無能な自分のことが悔しくてたまらない。
あの未曾有のパンデミックが起きたときだって、僕らはもはや無力な若者なんかじゃなくて、社会を変えられる立場にいたはずなのに、結局、このアナクロな世界をほとんどアップデートすることが出来なかった。
そして、僕らは相変わらず満員電車に揺られて、過去の遺産を食い潰しながら、何も新しいものを生み出さないで済む無意味な仕事(ブルシットジョブ)に精を出している。
つまり、僕らは、本当は
ロストジェネレーション(失われた世代)なんかじゃなくて、
ユースレスジェネレーション(役立たずな世代)
だったんじゃないか。
でも、一方で、まだ手遅れじゃない、とも思っている。
だって、まだこうやって初老体に鞭打って毎日頑張れてるんだから。
そう、きっと僕らはまだ本気を出してないだけなんだ。
だから、まずは先ほどの不都合な真実をお互いにちゃんと認めるところから、始めようじゃないか。
自分の息子たち次の世代のために、僕たちが出来ることはまだまだたくさんあるはず。
いっちょやったろうじゃないか!
後に
大器晩成の世代(late bloomer generation)
と言われるように、ね。