アンアンアン、アンコが大好きパパえもん
今までずっと内緒にしてきたけど、実は僕は22世紀からタイムマシーンに乗って現代にやってきた人型ロボット
パパえもん
である。
だから、いづれ22世紀に帰らなければいけないのだけど、それがいつになるのかは、偉い人が決めることだから、僕には分からない。
それは、明日かもしれないし、20年後かもしれない。
しかし、まあどちらにしろ、いつの日か、僕が君の目の前からいなくなるのだけは確定事項である。
幸い、君は、メガネのあの子ほど、間抜けでもバカでもないし、というか、むしろ利発だし、虫一匹殺せないくらい気持ちが優しい子だけど、今はちょっと世の中の方がおかしいから、むしろそのせいで、いろいろと悩み苦しんでいる君のことが僕は心配で仕方がない。
もし今、22世紀に戻れと言われたら、往年の紫式部ばりに後ろ髪を引かれる自信だってある。
僕がいなくなっても、君は大丈夫かな?
どうしたってそう思ってしまう。
そんな僕はもしかすると君のことを心配はしてても、信頼はしてないのかな、なんて思ったり。
いや、でも、もしかすると僕がいなくなったとたんに、君は本来の力強さを発揮する、そんな予感もしている。
そして、僕はハタと気づく。
ああ、僕がずっと君と一緒にいたいのは君が心配だからとか助けたいからとかじゃなくて、ただただ僕が君と一緒にいると楽しいからだという事実に。
確かに、できれば永遠に
こうやって本気でスマブラで戦いたいし、
死ぬほどくだらないネタで笑い合ってたいし、
ときには頭がドキドキ・ワクワクするような深い哲学の話をしたいし、
大好きなチョコバナナを美味しそうに頬張る君の笑顔を見つめていたいし、
公園でずっと石を割っていたいし、
そして、毎晩、君が寝ている隙にほっぺにキスをしたい
ああ、マジで帰りたくね〜!
実はどうしようもなく使えないポンコツロボットだったから、僕は過去に修行に出されたのであった。
でも、そんな過去でこうやって君と出会い、君にぞっこんLOVEな僕がいる。
そんな僕がやるべきなのは、きっと
苦しんでいる君の隣で何もできない自分の無力感に打ちひしがることなんかじゃなくて、
君と過ごす、なにげない、でもかけがえのないこの日々を君と一緒に全力で楽しむことなのかもしれない。
うん、いつか振り返るだろうたくさんの思い出の中に、確かに君が生き続けていることを僕は想像できる。
だから、君も僕もきっと大丈夫さ。
だから、いつかのその日が来るまで、今までどおり、いろいろとグダグダなダメロボットだけど、よろしく頼むな!