きっとちょうどいいくらいの奇跡
深夜2時過ぎ
久しぶりに中途覚醒したボクは、当たり前みたいな振りをして、no+eを見る。
そして、昨日から新しい住まいの寝室となった2階の和室の暗闇に白く浮かび上がったスマホの光は、ボクにとって文字通り
光
となった。
というか、最初は、何が起きたのかまったく分からなかったくらい、
それは紛れもなく
奇跡
ってヤツでもあった。
なぜならボクは、このとき
あの「バナナブレッドのプディング」のあの主人公のあのセリフを
自然とそらんじていたのだから。
夢にも思わなかった
わたし
薔薇の木は大好きだった
でも
薔薇の木から
好きだよなんて
いってもらえるなんて
夢にも思わなかった
夢にも
思わなかったわ……
いやはや、それにしてもこれまで答え合わせみたいな人生を送ってこなくて本当によかったと思ったし、きっとこれから先もこんな調子で生きていこうと思えた、
そんなちょうどいい塩梅な
秋の夜長の奇跡
だったなあ。