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公認会計士試験合格体験記

はじめに

2023年11月17日、私は公認会計士試験に合格しました。
多くの方に支えられてここまで来ることが出来ました。
色んな方に感謝申し上げます。
大学2年の頃から勉強を始めて、早いもので5年の月日が経っていました。
本当にここまで長かったです。会計士試験はまさに人生の底なし沼ですね。

私のステータスについて

色んな合格体験記を見る上で、参考になるならないというのがあると思います。
そこで、自分の置かれていた立場について一度明らかにしたいと思います。
基準日は、論文3回目時点の12月にしたいと思います。

【ステータス】
職業:会社員(2年目)
予備校:大原のみ(模擬試験はCPAとTACを使用)
得意科目:租税法、経営学
苦手科目:財務理論、企業法
簿記勉強開始時期:2019年6月
公認会計士試験開始時期の簿記レベル:簿記3級レベル
短答合格時の点数:340点(68%)
短答何回目で合格したか:1回目(2021年5月、短答が1回のみの年)
論文1回目の偏差値:45.62(監査論免除獲得)
論文2回目の偏差値:48.20(経営学免除獲得)
論文3回目の偏差値:55.00(合格)

企業法が低いですね


※過年度の細かい点数や偏差値については以下をご参照ください。

論文2回目からの復帰と自己分析

論文2回目が終わり、不合格という3文字を見た時、「このままでは本当にまずい...」と心の底から思いました。
そこで、私は得点開示をして、受かった友達との成績と比較することで、弱点を克服しなければいけない点を分析することにしました。
すると、会計学以外の他の科目では友達より偏差値は高いのに、友達は受かって、私は落ちたという事実がそこにありました。

会計士試験は会計学を制するものが会計士試験を制す、とは言い得て妙だと納得したものです。

そこから私は様々な勉強の管理ツールを使用します。
その方法を以下でお話しようと思います。

①自分の学習スタイルを可視化する

みなさんはいつも勉強するとき、どのように勉強をしているでしょうか。
塾の自習室や自宅、カフェや図書館と様々なところで勉強していると思います。
それと同時に今日は何をやろうか、この復習は今日中にやり遂げたい!など、予定を組むと思われます。
予定を組んだことにより、予想した勉強量と実際の勉強量に乖離が生じて、「なんでこんなのも出来ないんだろう•••」と自分の不甲斐なさで悩んだことはないでしょうか?

かく言う私も予定していた分の勉強が行えず、自分はこんなのも出来ないのかと苦しんだものです。

でも、それって実は自分の学習スタイルが合っていないからかもしれない、なんて言われたらどうでしょう?

学習スタイルには主に大きくわけて2種類存在します。

①保全型
②拡散型

詳しくは以下のドラゴン桜のX(Twitter)をご覧下さい

簡易的な診断にはなりますが、この漫画を参考に自分の学習スタイルはどちらなのかを明確にしておきましょう。

保全型は言い換えればコツコツ型の人。
同じ時間同じ場所で地道に問題をこなしたり勉強するのに向いているタイプです。

拡散型は言い換えれば経験型
場所を固定せずに色んな所へ行って、好きなように勉強するのに向いているタイプです。(週単位でノルマは設定する)

さらに詳しく自分の学習タイプを知りたいという方は、以下の書籍を購入して、そこに着いている無料診断で診断してみましょう。
自分が診断した時は保全型も拡散型も持っているタイプだと診断されました笑


②できたできなかった、得意苦手で分析を

自分の学習スタイルが確立されたら、次は科目の分析をしましょう。
現時点で試験結果が手元に返ってきてると思います。
加えて、今まで勉強してきた感覚として苦手だな〜とか、この論点は好きだな〜というのが必ずみなさんあると思います。

それと同時に、日頃解いている演習でもこの論点は点数高い、ここは低いなど、結果もよく目にすると思います。

これらをつなぐ画期的なツールが存在するのです!!

それが「受験マトリクス」というものです。
詳しくは以下のドラゴン桜のX(Twitter)をご覧下さい。(またこれかい)

要約すると、

①模試や成績などの点数による客観的なできた、できなかった

②科目や論点に対する主観的な得意苦手

を分析して、自分がどこを補充しなければいけないのかを可視化してくれるツールという訳です。

このマトリクスは2×2の4マスで構成され、以下のパターンに別れます。


ⅰできた×得意
ⅱできた×苦手
ⅲできなかった×得意
ⅳできなかった×苦手

図にすると以下です。

4マスのマトリクス

このマトリクスの最大の目標は、「できた×得意」をいかに増やせるかにあります。
つまり、会計士試験の管理会計でいえば、活動基準原価計算は「できた×得意」のマスに入るけど、戦略的意思決定は「できた×苦手」なんだよな、と言った感じです。

このマトリクスを演習の度に行います。
日ごろの計算演習や理論問題などでも使えるでしょう。

そして、大事な復習優先度ですが、下図の順番になります。

復習優先度に番号を付した

①「できなかった×得意」のマスに入ったものは単純にミスをしたからというもの。
対応策は、ミスをしないようにするにはどうすればよいかという思考回路になります。
下書きをさらにミスの減る工夫をするのか、はたまた問題文を丁寧に読むように心がけるのか。ミスの仕方で対応も変わってくることと思います。

②「できた×苦手」のマスに入ったものはどうして解けたのか、その思考回路を一度整理します。そして、整理してたどり着いた思考回路を予備校の先生などに伝えてみましょう。思いがけぬ発見があったりします。

そして③「できなかった×苦手」のマスに入ったものは最後に復習をします。
なぜなら、ここを伸ばしたとしても、労力に対して点数を得られる可能性はさほど高くはないためです。(やらなくていいわけではありません)

私の場合は、主観の部分を理解したかしてないか、客観の部分を解けるか解けないかで分けて、財務の理論で使っていました。
理解して解けるものをいちいち書くの面倒で空欄にしてます笑

数字は理論問題集に掲載されている番号

これを毎回演習のあとや、計算練習などのあとに記録としてつけて、復習の指標にします
次解く時は、「できなかった×得意」か「できた×苦手」から学習を始めればよいわけですね。

③自分の知識定着パターンを把握する

今までの勉強を振り返ってみて、記憶として定着したのはどういうときだったでしょうか。

紙にひたすらなぐり書きしてましたか?それともイメージを膨らませたら覚えましたか?

人によって記憶の定着パターンは様々です。
私の場合は、覚えたことを裏紙やノートにまとめることで記憶として定着していました。
また、覚えたことを人に話して、相手からフィードバックをもらい、なるほど!と思うことで覚えていくという癖がありました。

みなさんはどんなやり方で記憶が定着したか、一度振り返ってみてください。

④振り返りノートをつける

一日の学習の終わりには振り返りノートをつけるのをオススメします。

8/10の振り返りノート

書くことはなんでもよいです。
その日新しい発見をしたことや、こうすれば解ける!と思いついた下書き、予備校の方と議論した内容などなど、その日の勉強の進捗をその日の最後の日に記録します。

こうすることで、1日のことを満遍なく振り返ることができると共に、ノートに書き連ねていくことでページ数が埋まり、ここまでやってきたんだという自信にも繋がります。

是非お試しください。

さて、ここまで論文2回目の不合格から、いかにして学習を再スタートさせたのかということを述べてきました。
この方法は今すぐにでも取り入れられることができるものばかりだと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

では、次から科目ごとにどのように勉強をしていたかについて話していきたいと思います。
免除科目を取ってしまった都合上、財務会計、管理会計、租税法、企業法しかないことをお詫び致します。(そのうち監査論と経営学についてnoteを書こうと思います)

科目別勉強法

財務会計論 計算

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