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和歌山の陸上界の課題

前回のnoteでは、私自身の自己紹介を中心に、目標などについて書きました。前回の投稿の最後に、「~和歌山の陸上界の課題~」という事で、予告させていただきました。今日のnoteでは、私が思う、和歌山の陸上界の課題について話していこうと思います。ただ、誤解しないでいただきたいのは、このnoteで誰か特定の人を攻撃、または批判したいわけではなく、自分自身も含めた今後の和歌山の陸上界の発展に必要なことについて、考えていきたいと思っています。また、このnoteを読んでくださっている方の多くは、和歌山の方ではなかったり、陸上に興味がない方もいると思います。しかし、和歌山県と同様の課題を持つ県、またほかの競技で同様の課題を持つ競技もあると思います。ぜひ一緒に考えていただきたいです。

 また、中長距離に限った話ではあるかもしれませんが、中学時代に優秀な成績を残した選手の多くが、県外の高校に進学します。今年の箱根駅伝5区で区間新記録を出した、若林宏樹さんや、800m女子日本記録保持者の久保凜さんもそのうちの一人です。このように、優秀な中学生が県外の高校へ行ってしまうという、和歌山に残ってもらえない現状があります。そのような選手が、和歌山で陸上をするという選択肢を持つには何が必要なのか考えていきたいと思います。


中高生のレベルが他の近畿圏の中高生に比べて低い。

これは、陸上競技だけの事ではないかもしれません。他のスポーツでも和歌山県全体に言えることかもしれません。今回は私の専門種目が長距離なので、主に800m、1500m、3000mSC、5000mの4つの種目を中心に話していきたいと思います。

過去3年の高校総体の結果から

【2024年近畿総体上位6位】
800m  ⇒滋②、大②、京②、
1500m   ⇒滋①、大①、京①、兵②、和①
5000m   ⇒大①、京④、兵①
3000mSC ⇒大①、京③、兵②
合計:滋③、大⑤、京⑩、兵⑤、和①、奈⓪


【2023年近畿総体上位6位】
800m  ⇒滋③、大②、京①、
1500m   ⇒滋①、大②、京①、兵①、奈①
5000m   ⇒滋①、大②、京①、兵②
3000mSC ⇒滋①、大①、京①、兵③
合計:滋⑥、大⑦、京④、兵⑥、和⓪、奈①


【2022年近畿総体上位6位】
800m  ⇒滋①、大②、京①、兵①、奈①
1500m   ⇒滋②、大①、京①、兵②、
5000m   ⇒大②、京①、兵②、奈①
3000mSC ⇒大③、京②、兵①
合計:滋③、大⑧、京⑤、兵⑥、和⓪、奈②

【過去3年の近畿総体上位6位】
滋⑫、大⑳、京⑲、兵⑰、和①、奈③  合計:72

過去3回の近畿総体を見てわかるように、中長距離の種目で和歌山県の高校から全国総体へ出場した選手は1名。72分の1です。もちろん、単純比較はできないし、生徒数や学校数の差というのが、影響しているのは確かなことです。ただ、これは単純に和歌山の高校生のそもそものポテンシャルが低いからというものではありません。明らかに、和歌山の陸上界全体の課題があると思います。また、これは長距離に限ったことではなく、投擲種目を除けば、ほとんどの種目で決勝、ないしは準決勝にすら進むことのできない選手がほとんどです。これから、和歌山で陸上をする中高生が、近畿大会で勝てない理由、競技力が低い理由を考察していきたいと思います。


近畿・全国で通用する選手の育成に必要な事

 まず、大前提として指導者がしっかりと指導できるという事は、言うまでもなく大切なことです。ただ、あくまでも部活動の一環で、教員の労働環境も問題視さえているため、私の意見はかなり偏っているかもしれません。また、誤解してほしくないのは、和歌山全体の問題であって、特定の指導者ができていないといった、簡単な問題ではありますん。そして、指導者を批判、否定するつもりも一切ございません。もちろん、私の立場で言うのも、おこがましいですが、和歌山県の陸上部の顧問の先生方は懸命に指導されています。そして、これまでの県内の陸上界を支えてくださっているおかげで、私自身も競技をできているということも重々理解し、リスペクトの気持ちを持ったうえで、このnoteを書いているという事を、ご理解して頂けたら嬉しいです。それを大前提とした上でも、私へのご批判があるかと思いますが、それでも話したいことですので、書かせていただきます。 


1.高校生が中学生の憧れの存在になれていない。

 まず、中長距離の話で言うと、基本的に駅伝に強化している学校は、県内の競技会や記録会に出てきません。というのも、県外の記録会の方がタイムが出やすいからです。これに関しては、良い悪いはありません。それぞれの顧問の先生の考えがあっての事です。個人の願望としては、県内の競技会で中学生と、速い高校生が一緒に走る機会は、中学生にとって、とても貴重な経験になると思います。そこでの経験が「俺も、あの高校生みたいに速くなりたい!」という気持ちにさせたり、一緒に走ることで高校生のスピード感を肌で体験し、中学生が憧れを抱けるような存在が、中学生の競技力の向上に繋がるのではないかと考えます。
 もちろん、県外の記録会に出場して、自分が指導する高校生がタイム出すことも大切です。しかし中学生の競技力向上が、和歌山の陸上界を高校→大学→社会人と強化していく上での土台となります。高校生が中学生の憧れの存在となることで、中学生の競技力が向上し、高校でも和歌山県で陸上を続けることで、巡り巡ってその恩恵というのものが、県内の高校に戻ってきます。

 だから、たまにで良いので、和歌山の記録会に出て、中学生の憧れの的になれるような高校生になってほしいと思います。そして、それを高校生は自覚することで、「中学生の見本・憧れなんだ」という気持ちが、自分自身の競技力アップにもつながるはずです。


2.うちはウチ、よそはヨソで。県全体でレベルアップという意識が低い

 他府県に比べて、和歌山県内の陸上部の先生は、自分の教えている選手を囲って、選手が他の学校の顧問の先生に質問したりすることがNGのような風潮が強いように思います。もちろん、A校の指導者が、勝手にB校の選手に、アドバイスするのは違うと思いますが、選手から他の学校の先生にアドバイスをしやすい環境というのはあってもいいのではないでしょうか。その際、A校の指導者は、B校の指導者に「○○さんに質問されて、~~~とアドバイスさせていただきました。」と連絡すれば済む話だと思います。

【このように感じたきっかけを紹介します。】
 ある日の競技場で、ある高校の長距離の選手が一人で練習していました。僕もその場にいて、練習していたのですが、練習終わりに僕の方に来てくれて、普段の練習について聞いてくれました。僕は、一人の大学生としてアドバイスさせていただきました。がしかし、その選手は僕にアドバイスを求めたことで、その直後に顧問の先生に怒られていました。その、先生は長距離を専門種目としてされていない方です。なぜか、僕が申し訳ない気持ちになりましたw
 前の記事で私は、高校まで野球部でピッチャーだったという話をしました。私の野球部の監督・コーチは、二人ともポジションはピッチャーではなかったので、基礎的なことは、指導していただきましたが、練習試合をした相手校のコーチに、「アドバイスを頂いてきなさい」と監督からよく言われていました。野球界ではあるあるの事です。
 このように、多様な指導者の考え方を聞いて、多様な考え方の元で、自分なりにベストな考え方・理論を選択していくという時代において、県内の陸上界は追いていないのではないでしょうか。

 また、これは本当に個人的に感じていることなので、軽く聞いてほしいのですが、長距離を専門としていない先生でも、長距離が速い選手を育てたことがある先生は多いと思います。
 ただ疑問は、「本当にその先生の指導・メニューのおかげで速くなったのか?」という事です。もちろん、色々な要素はありますし、生活面も含めて部活の中で指導されていることはたくさんあると思います。一つの疑問として、その選手が結果を残せていたのは、単純にその子のポテンシャルが高かっただけで、誰が指導しても伸びたんじゃないかな?と。逆を言えば、もっと伸ばす事もできたのではないかのかな?と思ったりもします。

 私の意見としてもっと、オープンで開かれた陸上界にしていく必要があるのではないでそうか。指導者の指導実績といった名誉のためではなく、選手が速くなるために、できることはまだまだあると思います。


和歌山大学陸上競技部の私ができること。

ここまで、私以外の事について書いてきました。それだけでは、口だけの人間で終わってします。最後に、私が和歌山県の陸上界のためにできることについて話していきます。

①支える

 県内の陸上界を支えてくださっている先生方がたくさんいます。そのような先生方の努力の元、私は陸上競技ができています。支えられるだけではなくて、支える側の人間になりたいと思います。昨年はアナウンサーとして、審判させていただきました。来期も、審判という簡単なかたちではありますが、少しでもお力になりたいと思っています。


②見せる

 昨年も、県内の記録会や競技会の多くに出場しました。ときにはペースメーカーとして走ることもありました。また、個人的には西田修平記念の3000mで8分48秒で走り優勝した際に、中学生が「9分台でも周回遅れにされかけたーww」と話していたのを聞いて、やっぱり県内の記録会・競技会にわた費が出ることで、何らかの刺激になっているという事を実感しました。
来期も引き続き、県内の競技会等で中高生とバチバチしたいと思います。
負けません。

先頭を引っ張る。

③繋がる

 これは、個人としてというより大学として、中高生と一緒に練習する機会を作っていくことも大切だと思いました。高校生だけではなくて、私たち大学生も、憧れの的となれように努力していきます。そのために、この冬季練習で、一緒にサーキットするといった機会を他の学校の先生と連携してやっていきたいと思っています。個人的には、夏ごろに大学主催に長距離タイムトライアルをナイター照明を使ってできればと思っています。

Two LapsさんのMDCの縮小版的な
お金かかるので、陸協などと協力できれば!

④発信する

最後に、「発信する」です。私が現に今、していることです。本当に、批判だったり、否定するつもりはないんです。ただ、一つの意見として県内の指導者の耳に届けばと思って書いています。妬まれないか、少し怖いです。僕は、陸上一筋ではないからこそ、高校まで野球部だったからこそ、個人的に陸上界に対して感じるものがあると思っています。正解はないです。
ただ思ったことは、これからも、様々なことについてしっかりと発信していきます。またYouTubeも頑張ります。


あとがき

大変長くなりました。大学のレポート課題上の分量です。
少し熱く語りすぎましたね笑

それくらい大事なことだと個人的に思っています。この件について、コメントなど頂けたら嬉しいです。最後まで、お読みいただきありがとうございました。次回のnoteでお会いしましょう。

~次回~
丸山琉聖の長距離の練習観について。
メニューなども公開できればと思っています!


お楽しみに









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丸山 琉聖
国立大学で授業がある中で、部活のお金は自分のアルバイトから全て出しています。3月に合宿が、あるので、その費用に充てさせていただきたいです!気持ちをカタチにしていただけると嬉しいです。