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ずっとここにいたいと思った。心が凪いで、でも好奇心が湧いてくる。『ピュシスについて』―ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子―


2025年1月24日(金)10時30分~
1人で。
去年から行きたいと思っていて、やっとやっと時間を作って行けたこの日。
至福の時間となりました。


概要:
アーティゾン美術館では、2020年の開館以来、石橋財団コレクションとアーティストとの共演、「ジャム・セッション」展を毎年開催しています。第5回目となる本展は、国際的なアートシーンで注目を集めるアーティスト、毛利悠子を迎えます。
毛利は、主にインスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった、ある特定の空間が潜在的に有する流れや変化する事象に形を与え、立ち会った人々の新たな知覚の回路を開く試みを行っています。
本展タイトルに含まれる「ピュシス」は、通例「自然」あるいは「本性」と訳される古代ギリシア語です。今日の哲学にまで至る「万物の始原=原理とはなにか」という問いを生み出した初期ギリシア哲学では、「ピュシス」が中心的考察対象となっていました。当時の著作は断片でしか残されていませんが、『ピュシス=自然について』と後世に名称を与えられ、生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす哲学者たちの思索が伝えられています。絶えず変化するみずみずしい動静として世界を捉える彼らの姿勢は、毛利のそれと重ねてみることができます。
毛利の国内初大規模展覧会である本展では、新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションと並べることで、ここでしか体感できない微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間に来場者をいざないます。
アーティゾン美術館 企画展スペシャルサイトより


企画展フロアに降りた途端に拡がる世界観にわくわくして、展示スペースに踏み込んだ途端に心地よい空気感に包まれて。様々な種類の音がひっきりなしに流れているけど、耳障りが良い。ひとつひとつはインパクトの強いものなのに調和している、繋がっているという感覚が強い。周りをよく観察すれば色々なことが繋がっていて、それを知るだけで世界は楽しいよ、面白い発見があるよって言われているみたい。顔を上げて、気になるところに行って、よーくよーく観察するだけでとても世界は面白い。
個人的に日々の生活を見直そうとしている時期にあるので、こんな感想を抱いたのかなとは思うけれど、とにかく長く居たくなる空間でした。

日々に疲れてしまった方、ぜひ足を運んでください。
2025年2月9日(日)まで。

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