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#59 京都ゑびす神社の十日ゑびす

土日祝日ではなく、珍しく平日のことを書く。

1月10日。
年に数えるほどしかないが、定時に仕事を切り上げた。
今朝、京都市は初雪が降った。
路面に雪は残っていないが、もしかしたら路面凍結の恐れもあるのでスピードやブレーキに気をつけながら車で帰宅した。
玄関先で羽織っていたものをフリースのジャケットからダウンに変え、手袋と毛糸の帽子も着用すると、自転車に乗り、東大路通を南へと漕ぐ。
行き先は、京都ゑびす神社。
『十日ゑびす』である。

***

十日ゑびすへ行く前に、東大路三条下ル『食堂 はやし』で夕食をとることにした。
近年うまい天津飯と餃子で有名になり過ぎてしまい行列の絶えない『マルシン飯店』と東大路通りを挟んで対面に在るお店といえば京都の人には分かりやすいかもしれない。

『食堂 はやし』

私にとって『食堂 はやし』は、前から行きたかったのに、なぜか今まで行けてなかった定食屋さん。
十日戎のついでに食事ができるお店を探していたら、21時半まで営業しているこちらのお店のことを思い出した。

南へ少し行ったところに祇園花月があるので、出番の合間に芸人さんもこぞって食べにくるらしい。

店内の様子
壁に有名人(主に吉本芸人)の
サインがズラーり

「1,000円以内で美味いメニューがたくさんある」というまさに町の定食屋さんの鑑のようなお店で唐揚げ定食を注文した。

鶏モモ唐揚げ定食
900円

私は初めての定食屋で注文に迷ったら唐揚げ定食を注文することに決めている。
いい歳したオッサンが多彩な品数を前に、アレもいいなコレもいいなとメニューと睨めっこするのが恥ずかしいという自意識が働くからである。
故にメニューに唐揚げがあれば潔く唐揚げ定食を注文する。言い換えれば、一律に唐揚げ定食を食することでその店の実力を計っているのだ。(何を偉そうに、ただ子供舌なだけである)

肝心に唐揚げのお味も良く、量もそこそこあったが、私のような大食漢には少し物足りなかった。
メニューにプラス100円でご飯大盛りとあったので、注文時に大盛りをお願いしたら、「今は大盛りは提供出来ません、200円でご飯単品なら用意できます」と断られてしまった。
おそらくちょっと前までは今よりもっと価格も安く、ご飯の量も大盛りで提供するようなお店だったとお察しするが、昨今の米不足や材料費高騰からご飯の量を調節したり値上げせざるを得ないのであろう。何だか大盛りを頼んだことが申し訳なくなってしまった。
ということで、隣でビッグバーグ定食を頬張っていた連れ合いからご飯を分けてもらい、腹を満たすことにした。
我々より後にきたオッサン2人連れがそれぞれとんかつ定食を注文し、更に中華そばを追加注文していたのが羨ましかった。
「また来てください」とにこやかな奥様の接客に、素直にまた来たいと思いながらお店を後にしました。

***

自転車を祇園の有料駐輪場に停めて歩いてゑびす神社を目指す。
八坂神社付近まで来ると神社で授与された吉兆笹や古い吉兆笹を持った人がチラホラ現れる。
八坂神社で西へ折れ、夜の花見小路を歩く。

夜の花見小路
人影はまばら

祇園情緒溢れるお茶屋の家並はひっそりとした雰囲気を楽しんでから京都ゑびす神社のある大和大路通に合流すると、露店と参拝客で賑わってくる。さっきまで花見小路の静謐が打って変わっての喧騒である。

吉兆笹を持った人々
大和大路通はたくさんの人手

往来の人々の手に持った吉兆笹や食べ歩きの串などに注意を払い、交通整理をする警察官の誘導に従いながらゆっくり進むとゑびす神社に到着した。

ようやく到着
『人気大寄せ』が販売されている
のは京都だけ⁉︎
まずは参拝させていただきます
厳密には初詣ではないが
初詣気分で拝ませていただきました
前列にいた気前の良いおじさんが
一万円札を賽銭箱にねじ込んでいました
久しぶりに見た光景、さすが十日ゑびす
神楽殿では終夜
神楽の奉納が行われる
縁起物の大宝・福俵・福箕・福熊手・福鯛・宝船・宝来等がズラーり
巫女さんに縁起物を取り付けてもらいます
大和大路通側から入り
参拝通路は一方通行で新道通に出る

結局我々は吉兆笹の授与は受けずにお参りをしただけでゑびす神社を後にしました。

久しぶりにそのまま夜の祇園界隈を散歩してから駐輪場へ戻り、帰り道に珈琲が飲みたくなって近所の喫茶店に寄ったものの残念ながら閉店時間を過ぎてました。

団栗橋から四条大橋を撮る
鴨川の水面が反射している

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