ポップコーンとスルメ
娘と息子は性格が全然ちがう。娘はポップコーンのようで、息子はスルメようだ。
娘は、活発でエネルギーに溢れている。いつも落ち着きなく動いているか、しゃべっているか、歌っている。しかも、しゃべるときも早口で、声も大きい。小さい頃も油断すると、どこに行くのかわからず、目が離せなかった。学校に入ってからは、自分から積極的に動く子で、リーダー的な役割を率先してするタイプだった。感情の起伏も激しく、怒ったり笑ったり忙しい。ほんとに、ポンポン弾けるポップコーンのようだ。
一方息子は、省エネ型である。じーっとしていることが多く、喋るときもゆったりボソボソっとしゃべる。感情の起伏は少なく穏やかである。小さい時は、あまりあちこちと動き回ることもなく、手を焼いたこともほとんどない。学校に入ってからも、マイペース、積極的からは程遠く、姉弟でもタイプが違うね、とよく言われていた。火で炙るとじわーっと動くスルメのようだ。見た目の派手さはないけれど、噛んでみるとおいしい。息子は一見個性が薄いのだが、話してみると意外におもしろい。
娘と息子は、お互いほとんど影響されることはなく、それぞれの道を歩いてきたように思う。それぞれに、うまくやれるところ、苦労するところ、違うようだ。娘は、良いほうにも悪いほうにも評価されやすい。相性もあるのだろう。学校の先生でも、娘をよく評価してくださる先生と、そうでない先生とわかれていた。
息子は、どちらかというと目立たないタイプだ。良い方にも悪い方にも評価されにくい。悪いところも目立たないが、良いところも埋もれやすい。たぶんそれぞれ苦労があるのだ。
2人はお互いの良いところは、認め合っている様子だ。娘は、息子の他人と調和できるところをすごいねと言い、息子は娘の積極的な部分をすごいねと言う。
2人が友達だったら、仲良くなるタイプではないかもしれない。姉弟であるからこそ、仲が良いのかもしれないと思う。これからもっと大きくなり、それぞれの生活へと別れていった後も、2人が仲良くしてくれるといいなあ、と思う。
ポップコーンとスルメ、どちらもおいしくて、それぞれの良さがある。