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ごはんごはんごはん

私は料理が好きではない、たぶん。

食べるのは好きだ、とても。
食い意地は張っている方だと思う。


 毎日毎日の生活で、食事は省くことができない。結婚前は外食が多くて、
「何食べようかな〜。」
と考えるのも楽しかった。

 駅前のパスタ屋さん、職場の近くのお好み焼き屋さん、港の近くのうどん屋さん、近所のラーメン屋さん…書いているだけで食べたくなる。結婚して引っ越したので、もう今は簡単には食べられないが、どの店もおいしかったな。


 結婚してからは、私が毎日の家族の食事を担っている。朝ごはんに始まり、昼のお弁当、夕ごはん、と途切れなくごはんは続く。エンドレスごはん。ごはんは続くよ、どこまでも。

 時々、無性に悲しくなることがある。私の頭の中の大半が、ごはんのことで占められているんじゃないかと思うと、泣きたくなる。ごはんのせいじゃないかもしれない、私のホルモンバランスなどのせいかもしれないが、時々その波がやってくる。ごはんを作りながら、悲しくなる。

 でも、食べることは好きなのだ。結局、悲しいながらも作って、おいしいなと思って食べる。お腹が満たされると、また少し元気になって、次の日のお弁当のことを考えたりもするのだけれど。


 食べることが好きだから、料理の動画を観たり、レシピ本を読んだりもする。そういうのは、好きなのだ。おいしそうだな、と思ってワクワクする。ただ、いざ自分が作るとなるとなかなかに腰が重い。あーあ、よっこらしょ、といった感じだ。
 我が家のごはんが、全て私の肩にのしかかっているなんて、重すぎる。

 もしも願いが叶うなら、ドラえもんの「グルメテーブル掛け」が欲しい。グルメテーブル掛けがあったら、何を食べようか、そんな妄想をしながら、今日も明日のお弁当の仕込みをするのだ。


 いつもおいしいごはんを作ってくれた母、ありがとう。あの頃、もっと感謝していればよかったなあ。父はいつも母のごはんをほめていた。切っただけの冷奴でさえ、
「お母さんの切った豆腐はおいしいなあ。」
と言っていたそうだ。そんな一言で、日々のごはんをがんばれるんだろうなあ。



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