笑わせたい
私は、人を笑わせるのが好きなんだと気がついた。もっと早く気がついていれば、お笑い芸人とか落語家を目指していたのかもしれない。いや、ないか。
うちの子たちはよく笑う。くだらないことで、大笑いをしていることがよくある。子どもたちが笑っているのを見ると私まで嬉しくなる。子どもたちも、私が笑っていると、なぜかつられて笑っている。笑いの連鎖はすてきだ。
病院で仕事をしていく中で、気がつくと、患者さんに笑ってほしいなと思って仕事をしていた。あの手この手を使って、笑わせてみたくなる。
脳の病気を患う患者さんも多く、そのせいで感情が出にくくなってしまう方も多い。精神活動が落ちてしまい、ぼんやりとして、無表情になってしまう。そんな方が笑ってくれた時は、とても嬉しい。「やった!」と思う。私はこの瞬間がとても好きなのだ。
人が笑うと、なんでこんなに嬉しいんだろう。
赤ちゃんを見ると、多くの人が笑わせたくなるようだ。赤ちゃんに向けて、いないいないばあをしたり、変な顔をしてみせたりする。赤ちゃんが笑うと、それだけで周りの空気が明るくなり、とても幸せな気持ちになる。
自分の周りの人が笑ってくれると嬉しい。
自分の周りが笑顔でいてくれるというのは、そこが安心できる場所である、ひとつの要素だと思う。
「やっぱり笑ってるのがいいね、大事だね。笑わんとね。」
この前、職場の同僚が私に言ってくれた。
「ほんとだねー。笑わんとね。」
そう言って、エレベーターの中で2人で笑った。もちろん嫌なこともあるのだけれど、そんな中でも、余裕を持って笑っていられる人になりたいなあ、と思う。自分の周りを笑顔にできるような人になりたい。そうすることで、周りだけでなく、きっと今いる私の場所も過ごしやすいものになるのではないかと思うから。