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『ドイツ人が教えてくれたストレスを溜めない生き方 久保田由希』

私の父はデパートに勤務していた。
私が子供の頃は、水曜日が定休日だった。
でも、いつの間にかデパートに定休日はなくなった。

父が、あるデパートが定休日をなくして、毎日営業するようになったことで、他のデパートもそれに倣うしかなかったみたいな話をしていた記憶があるが、調べてみると大店法という法律の廃止が大きく関係しているようだ。

ドイツの閉店法という法律を知り、父の話を思い出した。

最近ではコロナ渦をきっかけに、お正月に休むスーパーなども増えてきたようだが、私は毎年スーパーなどで『元旦から休まず営業します!』というチラシを見ると、なんだか胸が締め付けられる気持ちになっていた。

元旦に出勤する人は、お正月を家族と過ごせないんだ。そういう人の犠牲の上で成り立っている便利さなんだ。と思うと、そこまでしなくていい。そんなに便利じゃなくていいと心底思った。

そもそも、おせちは、お正月はお店が休みだから日持ちするように調理したものだったわけだし、お正月はお店が営業していないのが当たり前なら、おせちしかり、買い物をしなくても済むように皆準備するはずだ。

Amazon primeのサービスをありがたく使わせてもらっているが、これも正直翌日に届くと思うからギリギリまで注文しないでも大丈夫だと思ってしまう訳で、初めから到着までに日にちがかかると分かっていれば、早めに準備するはず。(本当に急遽必要になってしまった時にはもちろん助かるけど、滅多にない。大体は自分の怠慢でギリギリまで注文してないパターン。)

このような、お客様至上主義的なサービスを自分が受けているということは、自分が労働する側になった時にも、お客様にそのようなサービスを提供しなければいけないということだ。
お客様は神様!という姿勢で、自分が普段仕事をしていれば、自分が客になった時にも、それを求める。そのループだ。

ドイツの接客やサービス業は日本人からしてみると最悪らしいが、たぶん自分自身がそういう働き方をしていたら、客になった時にも相手に求めないのだろうと思う。

閉店法により、日曜日にほとんどのお店が休みになるドイツでは、日曜日は公園でピクニックをしたり、散歩をしたり、家で煮込み料理をしたりするらしい。
日曜日に煮込み料理をするのは、平日の夜は『カルテスエッセン』と呼ばれるハム、ソーセージ、チーズ、パンなど火を使わず食べられる軽食で済ますことが多いという背景もあるようだ。

日本だと、日曜日にスーパーが営業していなければ、平日仕事で買い物に行けないから困る!ということになりそうだが、土曜日に行ったっていいし、そもそも平日の夕飯が簡単なら、日曜日に必死にまとめ買いする必要もなさそうだ。
会社帰りにパンとハムを買えばいい。

著者のおすすめ通り、芝生のある公園に行き、寝転んで本を読んだ時はとても贅沢な気持ちになった。ショッピングモールで散財するよりも、よほどストレス解消になるし、0円で出来る。

法律や、会社のルールを個人で変えることは出来ないけれど、ドイツ人の暮らしのエッセンスを取り入れたり、こんな暮らし方もあるんだと知るだけでも随分、心持ちが変わる気がする。

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