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これからの介護について

介護施設職員配置基準1対4後の未来


1.1対3基準を続けることは可能なのか?

まず、現状の1対3基準を続けるのは労働者人口の減少からかなり厳しいと思われます。

今でも介護職員の確保は困難な状態ですから、これからさらに高齢者人口の増加、要介護高齢者の増加を考えると2030年くらいまでは人手不足は解消されないかもしれません。

多くの職種がIT技術の使用で1人当たりの労働量を増やしています。

身近なところではコンビニのセルフレジですね。

以前は全てのお客のレジ打ちをしていたところを、セルフレジ化することで少ない人数でコンビニを動かすことが出来るようになりました。

一方、介護業種でも記録の電子化などは少しずつ進んでいますが、介護業務全般は人の手を介した、労働集約型産業から抜け出ていない側面があります。

いまだに富岡製糸場(明治時代の産業)と産業構造的に変わりないのが介護業界とも言えます。

労働者不足は介護業界だけでなく、多くの産業でも同じ状況になると思われます。

それなのに、介護業界だけがいつまでも富岡製糸場を続けて、労働者を集約していくのは難しいでしょう。

そう考えた場合、遅かれ早かれ。。。

1対4基準になると思われます。



2.1対4基準になった場合の未来

1対4基準に介護施設の職員人員配置基準が変わった場合、2つの未来があると思います。


Aの未来:IT機器やIoTフル活用でなんとか頑張る未来。

現状でも動作感知センサーなどをフル活用している状態だと思いますが今よりさらに、それを進めないと1対4基準では難しいでしょう。

例えば、動作感知センサーが感知した後に職員にコール音で知らせるだけでなく、「ただいま、職員が向かっております、それまでお待ちしてください」と要介護者に知らせるシステムになったら。

自力で排泄動作は出来るが、トイレへの場所の認識が出来ない人へはロボットが誘導してくれるのであれば。

寝たきりの利用者様であればいっそベッドに排尿や排便の感知センサーがついて、ベッド上でそのまま排泄機器に排泄できるような排泄装置がつくのであれば。

食事介護くらいならロボットで可能ではないか。

入浴も特殊浴の個浴が出来るなら洗身洗髪も全部、特殊浴の機械でするのは人道上的にどうなのか。

という感じで今よりかなり機械の力を使った介護になると思われます。

そもそも、血圧測定と検温そしてその記録くらいならApple watchの進化版で手首にまいたら常時測定出来るシステム今でもすぐに出来る。

こういう、ロボットなどを使うのがAの未来です。


Bの未来:そもそも今まで無駄に頑張り過ぎていた。

そもそも論的に言えば、多くの国民は要介護状態になってもまだ長生きをしたいのでしょうか?認知症になった状態でも長生きをしたいのでしょうか?

どんなに頑張っても人は緩やかに死へ向かっています。

そうであるなら、今までのとにかく1分1秒でも長生きの為なら手段を選ばない介護というものが無駄に頑張り過ぎていたのではないでしょうか。

だとするなら。

食事を自力で食べられなくなってきたら、緩やかに看取りへ。

認知症で自ら動き転倒するのも自らの自由意志では。

認知症で周辺症状が出ているのに薬剤を使わず混乱させた状態を周囲に見せるのも人権問題、薬剤を積極的に活用へ。

おむつへの排泄の何が問題なの??今はおむつの機能も向上しているよ。

入浴にこだわるのは職員の勝手なこだわりなのでは??清潔で良いのであれば、手段色々あるよね。

つまり、Bプランは1人あたりにかける介護量自体を下げていく未来です。

実際の現場ではAプランとBプランがミックスされたような世界がやってくると思われます。


3.介護職員目線での人員配置基準1対4基準の未来

恐らく1対4基準になると、介護報酬も1対3のままの施設は引き下げになると思われます。

半ば強制的に1対4基準にさせられると思うのです。

そうなれば、IT機器をフル活用する比較的高収入者向けの施設と、なるべく寝たきり状態や半ば放置状態にしておく低収入者向けの施設と施設が大きく2つに分かれるかもしれません。

どれだけ介護施設がIT機器の使用に積極的になるかは、今後の介護報酬に審議次第だと思います。

会社経営的にIT機器導入のモチベーションになるような介護報酬体系にしなければ寝たきり放置状態の施設が半数以上になる未来がやってくるでしょう。

当然、寝たきり放置状態の施設では職員のモチベーションアップも期待できないでしょうから、色々な意味で労働環境は悪くなるかもしれませんね。

ただ、モチベーションが高い施設が誰にでも働きやすい施設ともいえないで、今より積極的に自分に合った施設を探す姿勢が介護職員に求められると思われます。

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