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【対話形式で学ぶ哲学】「プラトンのイデア論」をわかりやすく解説 ~完璧なコロッケはどこにあんねん?~

先生
今日はプラトンの「イデア論」について話してみようと思う。


また難しそうなテーマですね。イデア論…何やろ?新しいダイエット法とかですか?


先生
(なぜダイエット?)いや、全然違うよ。イデア論っていうのは、プラトンが考えた「本当の世界とは何か」っていう話なんだよ。


へぇ、「本当の世界」って、今生きてるこの世界じゃないんですか?


先生
実はね、プラトンは「私たちが見たり触ったりしている世界は、仮のものにすぎない」って考えたんだ。本当の世界は、目に見えないけど完全で永遠に変わらないものが存在している、っていうね。


…え、こわ!それって幽霊的な話ですか?いや、そういうの信じるタイプちゃうんですけど。


先生
(幽霊と哲学を結びつけられるのもすごいな…)いやいや、もっと具体的な話だよ。たとえば、コロッケを思い浮かべてみて。


コロッケ?…先生、急にお腹空いてきたんですけど。


先生
(笑)まあまあ。で、そのコロッケ、たとえばコンビニのコロッケ、スーパーのコロッケ、手作りのコロッケ、いろいろ種類があるよね?


はい、ありますね。でも、どれも「コロッケ」ですけど。


先生
そうだよね。でもそれぞれ形も味も違うし、ちょっと焦げてるものもあれば、サクサクのやつもある。それでも「コロッケ」として認識してる。それはなぜだと思う?


え、そんなん、コロッケはコロッケやからですよ。あ、でも確かに、どれが「本物のコロッケ」かって聞かれたら困るかも…。


先生
そう、それがポイントなんだ。プラトンによれば、「本物のコロッケ」はこの世界には存在しないんだよ。


…え、じゃあ私が今まで食べてきたコロッケは全部偽物ですか?それ、だいぶショックなんですけど。


先生
(笑)いや、そうじゃない。プラトンが言うには、今食べたり見たりしているコロッケは「本物のコロッケ」の影なんだ。本当のコロッケは、目に見えない完全で理想的な「イデアのコロッケ」として存在している。


イデアのコロッケ…。それ、どこで買えるんですか?IKEAとか?

先生
(それは「IKEAのコロッケ」なんよ…)いや、買えないんだ。イデアは物理的には存在しないけど、私たちの頭の中に「完璧なコロッケ」のイメージとしてあるんだ。だから、いろんなコロッケを見ても「これもコロッケだな」って認識できる。


あー、なるほど。つまり「理想のコロッケ像」が頭の中にあるから、どんなコロッケもコロッケって思えるんですね。でも、それやったら、私が思う「理想のコロッケ」と先生の思う「理想のコロッケ」が違うこともありますよね?


先生
その通り。だから、私たちはそれぞれの「影」を通して、イデアに近づこうとしているんだ。プラトンは、物事の本質に迫るためには、この「影の世界」から「イデアの世界」を理解しようとする努力が必要だと考えたんだよ。


えーっと、つまり、今見えてる世界は全部影で、本当のものはもっと上の世界にあるってことですね?


先生
そう、それがプラトンのイデア論の基本だよ。


うーん、ちょっとだけわかった気がします。でも先生、これって現実の私たちにどう役立つんですか?私、スーパーのコロッケが安ければそれでいいタイプなんですけど。


先生
(笑)日常にどう役立つかというと、物事の本質を考えるきっかけになるってことだね。たとえば、仕事でも「今の状況だけを見るんじゃなくて、その本質や理想形を考えよう」とか。


なるほど。それやったら、私の仕事の「理想の報酬」もイデアに存在してるんやろな…。現実は影やから、給料日が薄いんやわ…。


先生
(それはイデアのせいじゃないけど…)まあ、そういう考え方もありかな。イデア論は「今あるものだけが全てじゃない」って教えてくれる哲学だから、現実をどう見ていくかのヒントになると思うよ。


わかりました!じゃあ、今日から私も「理想のコロッケ」探しの旅に出ますわ。スーパーと肉屋をはしごして!


先生
(それは単なる買い物…)うん、まずは身近なところからイデアを探すのもいいかもね。


まとめ

プラトンのイデア論は、「私たちが見ているものは影にすぎず、本当の姿(イデア)は別にある」という考え方です。日常の些細なことから「本質」を探るヒントになる哲学です。

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