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AI時代だからこそ、あなたが英語を学ぶべき理由

最近ふと思いました。「英語って、もう勉強しなくていいんじゃない?」って。だって、AIが翻訳してくれる。スマホひとつで、ほぼ完璧な文章が作れるし、その場で意思疎通だってできる世の中が、すぐそこに来ているんですから。英語を勉強する意味がわからなくなってしまうのも、無理はないですよね。

さて、急ですみませんが、ちょっと図解させてください。タテ軸は「クオリティー」の高さです。昨今の技術進化は凄まじくて、AIによる英訳のクオリティーも非常に高いです。

2~3年前と比較して、AIで代替可能な領域(下図:ピンクの部分)は大きく広がりました。noteを書いている皆さんも、文章作成やAIイラストの進化を実感していることと思います。

これによって何が起こるかと言うと、「黄色い部分に到達するまでの間は、AIをつかった方がクオリティーが高い」となる。そうすると、ピンクのレベルにいる学習者たちは評価されずらく、モチベーションを保ちづらい構造にあると考えています。

代替不可能な領域までいけば評価されるけど、超高いレベルと努力が要求される

これに気付いた私も、しばらく英語学習に手を抜いていました。「まあ、AIがなんとかしてくれるし」なんて言い訳しながら。でも、あるとき気づいたんです。何かちがうよなぁ…って。

言葉が変われば、世界が変わる


言語学の話を少しだけさせてください。言語学には「言語相対論」という考え方があります。これは、「人は使う言語によって、世界の見え方が変わる」という考え方です。たとえば、英語には「blue」という言葉がありますが、青空の「青」とデニムの「青」を微妙に分けて呼ぶこともあります。一方、日本語の「青」は、緑色や、未熟な果物にも使われることがある。言葉の違いが、私たちが世界をどう分けて見るかを形づくっているんです。

英語を学ぶことは、単に外国人と話せるようになることじゃありません。それは、新しい世界を手に入れることなんです。言語学者のソシュールも、「世界は言語によって分節化される」と分析しました。

英語を話すとき、私たちは日本語では出てこない言い回しや概念に触れます。そして、それが自分の考え方やものの見方を広げてくれる。これって、翻訳やAIではなかなか代わりにはできないことなんです。

AIにはできない「人らしさ」

もうひとつ、英語を学ぶことの大きな理由。それは、AIがどれだけ進化しても、「人間らしさ」を持つのは自分自身だということです。

AIが翻訳した文章は完璧でも、そこには「ニュアンス」や「感情の微妙な揺れ」が欠けています。英語を使うことで、私たちはただ情報を伝えるだけでなく、「自分らしさ」や「相手を思いやる気持ち」を表現できるようになります。たとえば、「Thank you」と一言言うときのトーンや表情だけで、その人の本当の気持ちが伝わることってありますよね。AIにそれができる日は、たぶんまだまだ遠いでしょう。英語表現も、音楽や芸術とおなじクリエイティブな作品だと私は思っています。

実利と哲学の間で

もちろん、実利的なメリットも無視はできません。英語ができると、情報の取れる範囲が格段に広がります。最新の研究やニュースはまず英語で発信されることが多いですし、世界中の人と直接やりとりできるのは大きな武器です。

でも、英語を学ぶことにはもっと深い価値があると私は思います。それは、「異なる文化や考え方に触れる」こと。そして、その中で自分の世界を少しずつ広げていくことです。

英語は単なる「ツール」ではなく、新しい世界への鍵なんです。

続ける理由は、「やめたくないから」

もし今、あなたが「英語をやる意味がわからない」と感じているなら、無理に理由を見つけなくてもいいのかもしれません。ただ、こう考えてみてください。

英語を学ぶことは、未来の自分に「新しい世界」をプレゼントすることだ、と。たとえAIが翻訳をしてくれても、その世界を本当の意味で「感じる」ことができるのは、あなただけです。英語を通じて広がる世界には、想像以上の可能性が眠っています。

さてと!今日も少しだけ、英語に触れてみようと思います。それは未来の自分を喜ばせる、ささやかな贈り物になるはずだから。

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