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頭がよくなるゲームの話 |『Fortnite』を作っている人の考え方

「読書家」は称賛されるけど、「ゲーマー」ってあんまり評価されない。
その理由は「ゲームはタメにならない」というのが一般的な価値観だから…だと思う。

でも、本当にゲームはタメにならないのだろうか。。
私は「ゲームは楽しみ方次第でタメになるし、頭を鍛えてくれる」と思ってます。

というわけで!大人気ゲーム『Fortnite』を例に用いて、頭がよくなるゲームの話をご紹介します!

『Fortnite』について

こんな感じのゲーム

アメリカの「Epic Games」が2017年にリリースしたオンラインゲーム。総ユーザー数は6億人を超える。

ゲームを軸としているが、
「米津玄師」や「星野源」がバーチャルライブを行うなど、メタバース空間としても活用されている。

一番人気なゲームモード「バトルロイヤル」では、
空飛ぶバスから100人ものプレイヤーが広大な島に降り立ち、最後の1人(あるいは1チーム)になるまでバトルする。

実際のゲーム画像ではありません ※ChatGPTから出力

メタ的な視点でゲームをプレイすると、頭がよくなる

このゲーム、普通にプレイするだけでも、めちゃくちゃ頭を使います。

戦局に合わせ戦略的思と臨機応変な対応力が求められるので、ビジネスに不可欠な能力も鍛えられる気がします。

しかし、開発者目線でゲームを分析すると、
さらに得るものは大きいです。

ここからは、開発会社「EpicGames」が公開している記事を元に、「タメになるゲームの遊び方」という視点でご紹介します。

開発者視点でゲームを楽しむ

① プレイヤーを動かす「磁石と引力」

先ほどお伝えした通り、『Fortnite』は広大なフィールドを舞台としています。どれくらいの大きさかというと、、東京ドーム20個分くらい?だそうです。

東京ドーム20個分の土地のなかで、プレイヤーはたったの100人。
ゲームを成り立たせるためには、プレイヤーにバトルしてもらう必要がありますが、これだけ広いと、プレイヤー同士が絡む機会が極端に少ないのです。

そこで、開発者はプレイヤーを誘導して、接点を生み出すことを試みました。
記事のなかでは「磁石と引力を用いたプレイヤーの誘導」と呼んでいます。

1つの例を図解してみました↓

プレイヤーの探索経路

① プレイヤーが室内の探索を終える
② 新たな地を求めて、広大なフィールドへ移動
③ 地平線の向こうに巨大な塔を発見したので、向かってみる

という流れです。『Fortnite』をプレイした方は覚えがあるのではないでしょうか??

EpicGamesの開発者いわく、2種類の空間を使い分けることで、プレイヤーの行き先を誘導しているそうです。

それが「ポジティブスペース」と「ネガティブスペース」。

空間を2種類に分類する

「ポジティブスペース」は
色んな物が存在する空間のことで、
「ネガティブスペース」は
空っぽな空間のことを指します。

先ほどの例で言うと、
前者が部屋の中、後者が草原に当たります。

部屋の中と草原

「ポジティブスペース」では、
敵との戦闘やアイテム入手など様々な展開が予想されますが、ある程度探索したら滞在の意味は薄くなります。

また、緊張感や圧迫感のある空間のため、
プレイヤーは「ネガティブスペース」を自然と求めます。

「ネガティブスペース」は広大で自由なため、一時は開放的な気分になりますが、
「次はどうすれば良いんだろう?」と不安になるため、また「ポジティブスペース」を求めることになります。

先ほどの例でいうと、
草原にいたプレイヤーが、塔という新しい行き先(ポジティブスペース)へ向かうことになります。

このように、空間を磁力のように使い分けることで、プレイヤーを特定の場所に誘導して、ゲームの進行を円滑にしています。

② ゲームは「品詞」でできている

ゲームの要素はすべて「品詞」が担っています。

普段遊んでいるゲームを品詞に当てはめてみると、開発者の目線に近づくことができます。

各品詞のゲーム内での役割


例えば、動詞はプレイヤーの行動を表します。
実際のゲーム制作においても、動詞をリスト化して、それに合わせてアイテムや武器を考えていくそうです。

『Fortnite』でいうと、以下のような動詞を抽出することができます↓

プレイヤーの行動を動詞で表す

また、形容詞を活用することで、
プレイヤーに情報を適切に伝えることができるようになります。

例として図形の形状が挙げられていました↓

形状の心理的な役割

丸い形が安全で、鋭い形が危険性を表すのは何となく分かりますよね。

一方で、四角い形が「実用性」を表す…
というのが分かりづらいですが、

実用性の象徴でもある宝箱アイテムチェストなんかが四角い形状をしていることが良い例だと思います。

③ 起承転結のレベルデザイン

EpicGamesはアメリカの会社ですが、
日本のゲーム制作のスピリットも受け継いでいます。

公式記事のなかで、任天堂のマリオシリーズのゲーム制作手法を取り入れていることが述べられています。

そして、『Fortnite』がゲームに取り入れたのが「起承転結」の考え方です。
日本語字幕ありのYouTube動画があるので、もし良ければ見てください。

動画を要約すると、『スーパーマリオ 3Dランド』や『スーパーマリオギャラクシー 2』は起承転結の仕組みによってゲームが作られている、というお話でした。

  • 起:基本的な遊びを紹介する

  • 承:遊びを発展させる

  • 転:ほかの遊びと組み合わせたり、転調を加える

  • 結:起承転までに身につけた技量を試す

実は、これらの考え方が『Fortnite』にも取り入れられているそうです!

さいごに

3つのメタ的な視点で『Fortnite』をご紹介しました!

次にゲームを遊ぶときに、開発者側の意図もわかっていると、これまで以上にゲームから得られるものが多くなるはずです。
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記事は以上です。ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。

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<補足>
・画像出力:ChatGPT
・画像編集:Photoshop、Canva
・記事のアイデア元:https://dev.epicgames.com/community/learning/tutorials/3VKJ/unreal-engine-fortnite-level-design-fundamentals


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