映画「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」感想(※若干ネタバレあり)


この記事を開いてくれてありがとうございます!
先日、映画「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」を観てきたので感想を書いていこうと思います!

ミッシング・チャイルド・ビデオテープ

「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」は「第二回日本ホラー映画大賞」で大賞を受賞した近藤亮太監督の短編作品を長編映画化した作品です。近藤監督にとってはこの映画が商業映画となります。ちなみに「第二回日本ホラー映画大賞」はアマプラで観れるので是非是非。


良かった点

雰囲気が最高に気味が悪い

ジャンプスケア(突然大きな音がするなどのびっくり演出)が無い事が本作の大きな特徴です。その分雰囲気やじっとりとした演出で観客に恐怖を伝える作品となっております。まず冒頭の山の暗くどんよりとした映像や、どこからともなく聞こえてくる熊よけの鈴の音は気味が悪く本能的に得体の知れない恐怖を感じました。

化け物は出てこない

幽霊や化け物があまり直接的に画面に出てこないことがいい方向に働いていると思います。影や光の具合でそれっぽく見える演出で勝手に脳内で補完して観るのでとても没入感がありました。余談なんですが、昨今のJホラーはグロい映像とか怖い化け物に頼りすぎだと思います。表現が直接的過ぎて全然怖くないんですよね。なんか作り物感が出るというか、ああこれはフィクションなんだと冷めた目で見てしまいます。もっとホラー映画屋さんは人間の想像力の豊かさを信じてもいいと思いますよ。

惜しかった点

前半の停滞感は否めない

冒頭の映像は薄気味悪く非常にgoodだったんですけど、主人公一行が地元に帰るまではちょっと間延びした感はありました。前半のパートは登場人物たちを深堀するうえで必要なパートではあったんですが鑑賞中は「え、このままの感じで終わらないよね?」と不安になりました。実家に帰った時の主人公の独白で主人公一家の異常性が明らかになり非常にゾッとするのですが前半のパートに入れても良かったのでは?と思いました。

画面の暗さの功罪

後半の山に入る場面ではかなりの時間暗い映像が流されます。この場面でも山の鬱蒼とした雰囲気が感じれるのですが映画館という特性上真っ暗になるので少しだけ眠気に襲われました。しかし、この点に関しては私が前日、寝不足だったからという事も考えられます。

好きなシーン(民宿のあんちゃんの怪談)

民宿のあんちゃんの怪談のシーンがめちゃくちゃ怖くて鳥肌が立ちました。「話し方は拙いけど一生懸命話している感じ」がリアルで役者さんの演技が素晴らしかったです。個人的MVPは民宿のあんちゃんですね。ミッシング・チャイルド・ビデオテープの真髄が込められたシーンだと思います。

またまた余談なんですけど、ああいった神様が捨てられてヤバい土地になったとか幽霊ではない「なにか」がいる山の話は大好物なので本でも映画でもおすすめがあったら是非教えてください!

まとめ

じわじわとズームアップする表現や人に見える影の演出などが作品の随所で見られてじわじわくるホラー系が好きな私にとっては大満足でした。雰囲気が怖い系映画が好きな人にとっては刺さると思います。近藤監督の次回作にも期待大です!





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