AIとブレインテックの親和性について
第一回の投稿記事内容を社会実装する上で、非常に興味深い試みが報じられましたのでご紹介します。
ユニークな脳を生きる AIで脳波読み多様な個性理解へ:日本経済新聞
「ニューロダイバーシティ」は多様性を理解し合える社会を実現する上で欠かせない要素であり、ブレインテックはそのキーテクノロジーです。
特に認知症や精神疾患やパーソナリティ障害はグラデーション要素が強く、たとえ何らの診断名も付いていない人であっても、誰もが何かしらの偏りを持って世の中を捉えており、それが個性であると同時に、想いが伝わらずやるせなさを感じたり、社会通念として画一的な「当たり前」、「普通」、「常識」といったものに馴染めない人もいます。
他人が、特に困っている人に見えている社会を理解することは、人間の思いやりと想像力に大きく依存しており、配慮に欠けた言動や思い込みは、時に人を大きく傷付けてしまいます。
さて、私は「早くBMI(Brain Machine Interface)でAIと繋がりたい!」と思いますが、一方で他人に心の中を見られることは、まさに『エヴァンゲリオン』でディストピア的に描かれ(一定の年齢層の)日本人の心の奥底に定着してしまい、もちろん、観ていない人でも抵抗はあるはずです。
しかしChatGPTなど利用していて期待した回答がなかなか返って来ない時、「違う違う、こう理解してほしいんだよ」と、自分の表現力がもどかしくなる事はよくあり、まずはエッジAIをパーソナライズできたらどんなに素晴らしい事かと思います。
そういうAIはきっと「生きづらさ」を感じる人達にも一番の理解者として寄り添ってくれるでしょう。
さらに、徹底的に匿名化して集積された脳波情報は、AIにとって新たに良質な学習データとなり、人の心を通して見える現実世界をより深く理解し、きっと社会をより良くすることに役立ちます。
当然ながら、素のChatGPTなど海外のクラウドAIに学習させてはいけませんし、国外からアクセスされないよう強固なセキュリティは不可欠で、国内でも厳格で透明性あるルールの下に管理しなければいけません。
しかし、仮にBMIが少なくとも視覚・聴覚にオーバレイもできれば、私達はそれ以外のあらゆる入出力デバイスから解放されますし、「会話」という最も簡単な手段で操作できるAIと、「考える」だけでデバイスを操作できるBMIの親和性は極めて高く、きっとデジタルデバイドを解消する「人に優しいテクノロジー」になるでしょう。