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『あなたがいる街』

「スタバでは、チョコレートチップフラペチーノが一番好きだよ。」
「と思ったけど、やっぱりチャイティーラテかもしれない。」

「駅まで迎えに来てくれたの?ありがとう。」
「こないだ迎えに来てくれたから、今日はこちらの番ですね。」

「桜見がてら、遠回りして帰ろうか。」
「ビール飲みたくなってきちゃった。」

「映画館は意外と前の席の方が没入感があっていいんだよ。」
「でもここはさすがに近すぎるかも。」

「ここのミスド、他のところよりも生地が美味しくない?」
「温めてもらうと尚更うまい。」

「ひまわりが太陽に向かって背伸びしてるよ。」
「英語でsunflowerっていうだけあるね。」

「夏祭りかな、神社に提灯がかかってる。」
「ちょっと寄ってく?」

「あそこのパン屋さんのメロンパンが食べたい!でもダイエット中だから我慢!今日はやめとこう。」
「やっぱり買ってもいい?」

「この自販機、他のところよりちょっとだけ安いんだよね。」
「スーパーで買うのが一番お得だよね。」

「今日定休日か!」
「明日またリベンジだ。」

「たまにあの人に会うんだよね。この辺に住んでるんだろうけど。」
「実は追っかけとかだったらどうしよう。」

「夕日で空が真っ赤だよ。空が綺麗ですね。」
「愛を伝えたつもりなんだけど。気がついてます?」

「この坂道、老後は絶対に無理だね。」
「老後はループを乗り回そう。」

「今日は頑張ったしさ、ちょっとフライングだけど、公園で乾杯しちゃう?」
「子供の前ではさすがにやめとくか。」

「あのクリーニング屋さん12月で閉店だって。残念だね。」
「行ったことないけどね。」

「あ、柴ちゃんまた散歩してる。いい飼い主さんを持ったね。」
「触りたいけど、声をかける勇気はない。」

「この建物の大家さん、見たことないよね。」
「。。。生きてる?」

「窓開けて!電子レンジから煙が出てる!」
「さつまいもがう○こみたいになってる。」

「家から花火が見えるって最高だよね。」
「屋台行きたくなってきちゃった。」

「この部屋は本当に落ち着くな〜。」
「部屋っていうより、君のおかげかな。」


あなたの声が聞こえてくる街。久々にふと訪れた。
駅から歩いているだけで、あなたがそばにいるみたい。
時間はどんどん過ぎ去って、街も移ろいゆくけれど
あなたはかくれんぼしてるみたいに、記憶のしっぽを覗かせる。
ここはあなたがいる街だ。そして「わたし」がいた街だ。



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