ADOC
概要
作業療法士は対象者が日常生活、生活関連動作上で必要とされる作業の獲得を目標に作業療法を提供します。どの作業の獲得を目標としていくかはの意思決定は対象者の希望や意思が反映されていることが望ましいと考えられます。
先行研究では、前途した目標設定を行う上で作業療法士と対象者との認識のギャップがあることが報告されています。その理由の1つに、意思決定の実践的なガイドライン不足が指摘されています。
それにより、作業選択の意思決定を支援するためのアプリケーションとしてADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice)が開発されました。
ADOCは、日常生活の様々な作業場面が描かれたイラストを、対象者と作業療法士がiPadなどのポータブルデバイスの画面上で取捨選択しながら、対象者にとって価値のある作業を見つけるための意思決定支援ソフトとして開発されました。イラストはFIM、老研式活動能力指標、社会生活基本調査などから抽出し、ICFの「活動と参加」の大~中分類を基準に振り分けられています。そして最終的に8カテゴリー95項目の作業を選出されています(また、各項目の作業イメージをイラストとして作成することでより直感的なコミュニケーションを実現している。
作成者
友利幸之介:神奈川県立保健福祉大学
東登志夫:長崎大学
上江州聖:那覇市安謝複合福祉施設
金城正太:釧路脳神経外科デイケアセンター
斉藤佑樹:太田熱海病院
使用方法
対象者にとって重要な作業を選択する
選択した重要な作業の重要度を5段階で評価する
作業療法士が対象者にとって必要と考える作業を選択する
両者の選択したイラストを画面に写して、両者で相談の上、目標とする作業を5つ決定する
重要度・緊急マトリクスで作業の優先順位を決定する
決定した作業の満足度を5段階で評価する
データ保存
選択した作業に関する作業療法の支援プランを立案してPDFを作成する
PDFを印刷して対象者からサインをもらう
結語
ADOCはポータブルデバイスを使用するということもあり、対象者自身も直感的に操作できることで楽しみながら対象者が現在必要としている作業を共に選択することができるという画期的なコミュニケーションツール(評価)だと思います。このツールを使用することで対象者に対しての作業療法を更により良いものへとしていけると思います。
体験版として、ホームページ上にダウンロードできるものも用意されているためどんどん使用していってより良い作業療法を対象者の方々へ提供できるようにお互い頑張りましょう。