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小説「風の華」

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窓をあければ華は空を飛べるように思う癖があった。ずいぶん幼い日の思い出だった。小学生になったばかりの小さな記憶が・・・
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#マンション

小説「風の華」第一章(1)

小説「風の華」第一章(1)

 ぼんやりとした雲が、青空を覆っていた。
 華は、翠と長い坂道を登っていた。
 潤の住んでいるマンションは、丘の上にあるらしかった。九月の風が、どこか秋の近づくのを感じさせる。
「え、潤と翠さんが、親戚?」
 翠が潤のいとこであることを、彼女から伝えられた時、華は驚いた。
さらに、驚いたのは、潤が自分の家族のことで、かなり悩んでいる、と聞かされたことだ。
「潤君のお母さん、病気なんだって。一人で介

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