食事からのマグネシウム摂取で認知症を予防?
食事からのマグネシウム(Mg)摂取は、脳容積の増大と白質病変の減少に関連していることが明らかにされた。オーストラリア国立大学の研究。
この研究では、英国の大規模ヘルスケア情報データベースであるUKバイオバンク参加者のうちの6,001人(40~73歳)を対象に、Mg摂取量と脳容積および白質病変との関連を性別に調べた。対象者は16カ月間で5回にわたって一連のアンケートに回答し、これらの回答をもとに、対象者の1日のMg摂取量を200種類の食品に基づいて計算した。各調査時点におけるMg摂取量の推移と脳容積および白質病変との間の関連、ならびにMg摂取量の推移と血圧変化との関連を調べた。
その結果、食事からのMg摂取量が多いことは脳容積の増大および各脳領域の白質病変の減少と関連しており、1日のMg摂取量が41%増加すると、加齢に伴う脳の萎縮が軽減される可能性が示された。また、Mgを1日に550mg以上摂取している人は、350mgまでの人と比べると、灰白質が約0.20%、右海馬が約0.46%大きく、55歳に達するまでの脳年齢が約1歳若いことが明らかになった。さらに、食事によるMgの影響は性別によって異なり、女性の方がより顕著であった。Mgと血圧との関連はほとんど有意ではなかった。
著者らは、「今回の研究結果は、食事からのMg摂取量の増加が、一般集団の脳の健康状態の改善に関連しているという新たなエビデンスとなる」と述べている。
Mgが多く含まれる食品ランキングを調べたところ、上位5位まですべて藻類で(1位:あおさ、2位:あおのり、3位:わかめ、4位:てんぐさ、5位:ひとえぐさ)、それ以降もたくさんランクインしている。サプリよりもできれば食品で取りたいところだ。
【引用元】
https://link.springer.com/article/10.1007/s00394-023-03123-x