クレアチンがコロナ罹患後の慢性疲労症候群に効果的?
COVID-19罹患後に慢性疲労症候群を来した患者がクレアチンサプリメントを6ヵ月間摂取したところ、症状の軽減が認められたとする研究結果が報告された。セルビアのノヴィ・サド大学の研究。
著者らはランダム化プラセボ対照二重盲検試験を実施し、被験群(6人)にはクレアチンのサプリメント(クレアチンモノハイドレート)を1日4g、対照群(6人)には同量のプラセボ(イヌリン)を6ヵ月間投与。投与後の疲労レベルの変化、骨格筋や脳領域のクレアチン値の変化、関連する症状のスコアの変化などを評価した。
その結果、クレアチン群では、投与3ヵ月および6ヵ月後に、内側広筋、左前頭葉および右頭頂葉の白質におけるクレアチン値が投与前と比較して有意に増加していた。また、投与3ヵ月後では、投与前と比較して全般的な疲労レベルが有意に改善していた。体の痛み、集中力の低下などCOVID-19罹患後の慢性疲労に関連する症状のスコアは投与前よりも有意に改善しており、体の痛みと頭痛の平均スコアは投与3ヵ月後と6ヵ月後でプラセボ群よりも改善していた。副作用は、クレアチン群の1人で一過性の軽い吐き気がみられたことを除き、いずれの群でも重大ではなかった。
著者らは、「クレアチンを6ヵ月摂取すると、生体組織のエネルギーが改善し、COVID-19罹患後の慢性疲労症候群の臨床症状が減弱するようであるが、これはおそらくエネルギー補給と神経保護の活性化によるものであろう」と述べている。
コロナ後遺症はワクチン後遺症であり、今回の研究結果からクレアチンの改善効果に期待したいところだ。クレアチンのサプリメントは一般的に、運動パフォーマンスを向上させるために使用されている。食品では、鶏肉や豚肉などの肉類、ニシンやマグロなどの魚類に多く含まれているとのこと。
【引用元】
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/fsn3.3597