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奇跡の猫🐈

嘘のような本当の話。
あれは3年前の秋🍂のことでした。

東京にいる妹が可愛がっていた雄のチャトラ。
17年くらい生きた彼、
食べることが大好きで、お腹のたるみがチャームポイントだった。
ある日、腎臓病が見つかる。
あんなに食べることが好きだったのに、食べられない様子が
余計に気持ちを切なくさせる。

そんな時、近所で雌の白黒猫と出会う。
生まれてから、数ヶ月は経つ。
妹は彼女が気になり、勝手に名前を付けて餌をあげたりしていた。

そして、ある時、捕獲作戦に出る。
なかなか苦戦したが、数日後ようやく妹の所の子になった。
どうしても二匹を育てたかった。

雄猫にしたら、ちょっと迷惑だったかもしれない。
体はしんどい、
元気すぎるおチビちゃんが近くにいる。
狭いワンルームで。

彼が食べられない分は、代わりに彼女がたくさん食べた。
お溢れを貰っていた彼女。
ますます元気になる。

2021年9月29日
肉球の日に雄猫は天国に旅立ちました。
人懐っこい可愛い猫ちゃんでした。
私たち家族も大好きな子でした。

妹は気落ちし、彼なき家に居たくないと、
実家のある愛知に彼女も連れてやってきた。
タクシー🚕に乗り、新幹線🚄で移動し、電車🚃でここまできた。
彼女にしては、初めての経験だ。
鳴かずにお利口さんでいた。

しばらく大人しくしていた。
でもここが居心地が悪く、どうにか逃げ出したくなり、
ある日脱走する。
隣のお宅の屋根に飛び降りてしまう。

私たちではどうすることも出来ない。
レスキュー隊にお願いするも、上手く切り抜けて逃げていってしまう。
逃げられたぁ〜
困った。
でも本当に困ったのは土地勘すらない猫さんの方。

私たちはすぐに見つかると思っていた。
だが簡単ではなかった。
段々焦りが出てくる。
ボランティア団体から、捕獲機をお借りし、
ボランティアの女性と夜中まで彼女を探す。
近所の人にも協力してもらい、捕獲機を置かせてもらう。
チラシも配る。

幾つか情報を貰えるが、似たような猫ちゃんは世の中にいる。
微妙に違う。
時間だけが経過する。
警察にも問い合わせする。
事故に遭う可能性もある。
車もよく通るし、駅も近い。

嫌な予感も頭によぎる。
それでも絶対に連れて帰る、という妹。
家族は半分諦めモード。

1週間、10日が過ぎ、
一度、彼女の匂いがするブランケットを取りに行く、と妹は東京へ。
亡くなった雄猫にも見つかりますように、と声掛けしてきた。

そのおかげか有力な情報を得る。
ある塾にポスティングしたら、そこの生徒さんが、
似たような猫が家の近くにいる、という情報が。

今回は期待しても良さそう。

そしてついに捕獲した。
間違いなく彼女だ。

その後、動物病院で検査するから、と彼女は東京に戻る。
幸い、異常はなかったと、胸を撫で下ろす。
良かった!

見つかるまで2週間。
家族は、奇跡の猫と呼んでいる。

うちから徒歩で7、8分の所、
線路を渡り、向こう側までどうやら行ってしまった。

元々が野良さんだったからか、野生児のようで
なんとか無事に生きていた。
食事とかどうしていたんだろう。
他の野良ちゃんに狙われたり、怖い思いもなかったんだろうか。

彼女に聞きたいことは山ほどある。
疑問が多すぎて。

でも、何より無事に見つかってよかった。
先代の雄猫が守ってくれたのかもしれない。
見えない力を信じたい。

そして、今はお家🏠もあって、幸せに暮らしている。

妹からは決して諦めない気持ちを学んだ。

ご近所で、色んな出会いがあった、と。

未だに「猫ちゃん見つかって良かったね。」と言ってくれる人がいる。
父は町内会で、そこのお家の方と今年、一緒になった。
縁は不思議だ。

そして、妹と彼女の大切な猫は近所で、ちょっとした有名人になった。

嘘のような本当の話。

この場でシェアさせていただき、
人生には絶対に諦めてはいけないシーンがあるんだと
改めて思いました。

妹を初めて見習いたいと思った三年前の忘れられない
秋の出来事でした。

#コミックエッセイ大賞

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