建築ごはん

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地方都市の設計事務所ではたらく。オフィス、病院、福祉施設、教育施設などいろんな建築を設計。好きなスポーツは野球。

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建築は贅沢な行為になってしまうのか?・・・物価上昇の大波

  このところ世界中でインフレの波が押し寄せている。日本ではまだ海外ほどではないが、じわじわと身の回りの物価が上がっている。日米金利差による円安、コロナ禍による中国のロックダウン、戦争等… いろんな要因が重なった影響だ。  建設費について言うと、実はもう10年近く上昇が続いている。建設業はバブル崩壊後の低迷期が長く続き、低価格の受注競争に疲弊して建設就業者数は減少の一途をたどった。そこにリーマンショック後の景気後退が追い打ちをかけ、2011年頃に底値を付けたと実感している。

    • 僕たち大人には説明能力が必要だ

       僕たちが建築学科の学生だった平成の初め頃は、バブル景気のピークを迎えた時代だった。とは言っても学生の身分ではお金があるわけでもなく、華やかな時代の恩恵を感じたことはそれほどない。唯一、就職活動に際して企業が非常に積極的で、クラスまとめて食事会に誘われたり、突然に資料請求もしていない大銀行から、「明日来てくれたら内定を出す。」なんて言われたりして、自分さえ道を決めれば社会に出ることはそれ程難しくないのかなと思っていた。  建築学科の学生には、設計製図という授業がある。2カ月程

      • はじめに

         建築設計を生業として30年近く経ちました。これから先に設計の仕事を続けられるのは、あと何年かはわかりませんが、社会人としての折り返し点をターンしたことは間違いなく、少し先が見えてしまった感もあります。  僕たちの仕事は建築主と向き合ってひとつひとつ建築を設計し、創りあげることです。一般の製造業と大きく違うことは、何が出来るかが決まっていない状態で仕事の依頼を受けることです。計画を進めて行くうちにいろんなことが決まっていって、最後に設計図がまとまります。どこに行くかがわかって

      建築は贅沢な行為になってしまうのか?・・・物価上昇の大波