前回「祇」と「祗」というややこしさ3本指の字が存在し、「祇園」と表記する地域、「祗園」と表記する地域がそれぞれ存在することを書いた。では実際にどのように混在しているのだろうか。 川崎市中原区木月祗園町 川崎市に「木月祗園町(きづきぎおんちょう)」という地名がある。正確には「神奈川県川崎市中原区木月祗園町」。「氏」の下に下線がある方だ。ところがこの「木月祗園町」、現場は揺れに揺れている。「木月祗園町」であれこれ検索していたところ、毎日新聞校閲センターが運営するサイト内のブロ
5年ごとに行われる国勢調査国勢調査の最も基礎となるものは人口調査だ。西暦年の末尾「0」の年は大規模調査が行われる。前回の国勢調査は2020年、大規模調査だったはずである。 国勢調査では、町丁目(大字・小字)単位で集計されたものが公表されるが、住所オタクとして気になるのは京都市だ。町名表記が複雑な京都市の町名は、どんな単位構成で整理されているのだろうか。 国勢調査データをざっとみるにはここが手っ取り早いので、ここからダウンロードしてみた。 ここの「6 小地域集計(国勢統計区
日々住所データとにらめっこしていると、深堀せずにはいられない住所に出くわす。例えば、 東京都中央区銀座西2-2先これは銀座インズ2という商業施設の住所である。銀座と有楽町の間、首都高の下にある商業施設だ。 この住所には奇妙な点が二つある。 まず、東京都中央区に「銀座西」という地域名は現在存在しない。 1968年の区画整理の際に「銀座」に統合されたからだ。半世紀以上前の地名を未だに使用するのはなぜなのか。日本の住所が複雑になっている理由はこういうところにあるのではないか?最
祇園といえば、一般的にイメージされるのが京都の繁華街の祇園ではないだろうか。地名の由来は八坂神社(通称・祇園社)界隈という意味からだ。同様に八坂神社(祇園社)の祭礼だから祇園祭となる。 さて、今回のテーマは地名の文字問題でもややこしさの三本指に入る祇園の「祇」について。 「神社」は本来「示申 示土」だったが、今ではすっかり「ネ」で定着してしいる。本来「示」であるものは神事に関わるものがその傾向にある(祈・祝・祖など)。 この「祇」の字、一昔前の活字では「ネ氏」で表示されて
前回「なぜ住所データのクレンジングが必要なのか」の答えを「コード化させれば扱いが便利になるから」と書きました。 本当は「なぜ住所データのクレンジング弊社が必要なのか」がいい。 そして弊社は答える 「めちゃくちゃめんどくさいから―――――――」 余談ですが、昔々、上司に言われた「めんどくさいから仕事になるのよ~」に何度自分を奮い立たせたことか 話を最初に戻して「なぜ住所データのクレンジングが必要なのか」をつらつら書くので、へー、ふーん、と思いながら読んでいただけると幸い
そもそもデータクレンジングとは ”データベースにおける様々なデータを整理し、活用に支障が起きないよう最適化すること。入力ミスや間違った配置、欠損値などの不正確なデータや無関係なデータなどを特定し、修正を施すこと” 以前自宅に、ある百貨店から全く同じお中元カタログが2冊届いた。過去に百貨店でお中元を申し込んだ際に、わたしが登録した住所と、その後家族が申し込んで登録した住所情報が微妙に違っていたようでした。目視で確認すると同姓同名、住所も表記こそ違えど、明らかに同一住所。そん
突然ですが、餃子の話です。国民の家計収支の実態を把握し、国の政策に資するために総務省が行っている統計調査があります。近年我々はこの調査で、宇都宮・浜松・宮崎の餃子の消費量日本一決定戦(趣旨が違う)を目にします。 調理食品の分類の中の一つとして餃子が調査対象となったのは1987年からで 調査の対象は以下のとおり ◎対象 ・小売店の調理済み、または焼くだけの生餃子 ・テイクアウト専門店 ーーーーーーーーーーーーーーーー ×対象外 ・ラーメン、餃子店でのテイクアウト(生・冷凍問わ