V15 閑話休題『メンター制度について』
【背景】
情報化社会⇒知的概念社会の最大の経営資源は
『ヒト』であることは皆さん周知の
とおりだが、実態はTop Management層
の認識力・対応力が問われる下記のような
組織課題が絶えない
AAA 組織課題 例
戦略や理念などが全員に浸透していない
全体視点が失われている
制度や仕組みが現場で活用されない
主張の強い人の声に流されてしまう
人材育成の効果がみられない
次世代のリーダーがいない
能力差の克服
コミュニケーション
● 職場のハラスメント
職場のハラスメントには主に、
パワーハラスメント(パワハラ)、
セクシュアルハラスメント(セクハラ)、
妊娠・出産に関するハラスメント(マタハラ)があり、
3大ハラスメントとも呼ばれる。
BBB パワハラの3つの要素
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えている
③労働者の就業環境が害されるもの
代表的なパワハラ6つの言動
1、殴打、足蹴り、突き飛ばすなどの暴行、傷害行為
2、相手に物を投げつける
3、業務上明らかに必要性のない言動
4、業務の目的を大きく逸脱した言動
5、業務を遂行するための手段として不適当な言動
6、当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が
社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
パワハラの精神的な攻撃事例
1、人格を否定するような言動を行う。
2、業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる
厳しい叱責を繰り返し行う。
3、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を
繰り返し行う。
4、相手の能力を否定し、罵倒するような内容の
電子メール等を相手を含む複数の労働者宛てに
送信する。
5、十分な指導をせず、放置する。
CCC 職場におけるパワハラ・セクハラ防止措置が全企業に義務化
厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部
2022年4月施行
<労働施策総合推進法(抄)>
(雇用管理上の措置等) 第30条の2
1、事業主は、職場において行われる優越的な関係を
背景とした言動であって、業務上必要 かつ相当な
範囲を超えたものによりその雇用する労働者の
就業環境が害されることのないよう、 当該労働者
からの相談に応じ、適切に対応するために必要な
体制の整備その他の雇用管理上必要 な措置を
講じなければならない。
2、事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は
事業主による当該相談への対応に協力した際に
事実を述べたことを理由として、当該労働者に対し
て解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
メンター制度導入急増の背景
●直接的理由
・新入社員の早期離職者増⇒人材確保難
・社員の能力格差⇒チームワーク力による
シナジー効果(成果)減
・組織内ハラスメントの根強い土壌
(経営陣の認識力・対応力に起因)
・雇用管理上の措置等 パワハラに対する
事業主への対応の義務化
施行;2022年4月 全事業者対象
(罰則規定はないが、場合により公表)
●その他の理由
・長寿社会(日本は世界一の長寿国)の流れ
によるロールモデルの喪失
・新しいステージの必要性
(未知なるものへの期待や不安)&生きる力
これまで・・・3ステージ
(こども時代ーおとな時代ー退職者時代)
これから・・・多様なステージ
(技術進化長寿社会対応の新しい社会像)
・意識改革と同時に必然の仕組み改革に対する
自己変革の必要性を感知
例)この組織で成長できるか、
長寿社会で生き残れるか、
ロールモデルは、あるのか?
111 メンター(MENTOR)とは?
メンターとは、指導者や助言者、相談者などを
意味する言葉で、主に新入社員や若手社員、中途社員
などとの対話や相談、助言を通じて対象者をサポート
する者を指します。多くの場合はお互いが直属の上司
と部下の関係ではない、他部署の先輩社員などが
その役割を担います。
※メンターのサポートを受ける新入社員や若手社員、
中途社員は「メンティー」と呼ばれます。
※自身の悩みや不安、キャリアなどについて
メンターと対話・相談をしながらアドバイスや
その他のサポートを受けることで、主に精神面での
不安解消や職場への定着を図っていきます。
メンターとメンティーが、一対一で対話しながら
支援を進める一連の手法を「メンタリング」と
呼びます。
※OJTやコーチングとメンタリングとの違い
222 OJTとは?
OJTは実際の業務を通じて行う人材育成、
教育訓練だが、指導は基本的に同じ部署やチームの
上司や先輩が行う。これに対してメンタリングは、
仕事上の上下関係などを伴わないメンターが一対一の
対話によって実施するため、フラットな関係性で
率直なコミュニケーションが可能になる。上司には
相談しづらいことやプライベートな内容も含めた
対応ができる。
333 コーチングとは?
コーチングは対話によって本人に気づきを促して
課題解決につなげる人材育成手法一対一の対話を
用いる点はメンタリングと同じだが、コーチングは
目標達成に向けた技術やスキル習得など、実務に
関するテーマが中心になる。これに対して、
メンタリングでは自身のキャリアや人間関係の悩み、
プライベートなどを含めたテーマを扱い、精神面の
ケアも含めたより幅広い支援を目的としている点で
違いがある
444 メンターの必要性
●価値観や働き方の多様化
近年では政府主導の働き方改革が進められ、
残業削減や職場環境の整備、福利厚生の充実、
その他の労働環境は大きく変化しています。さらに
働く人たちの意識として、ワークライフバランス
重視の姿勢をはじめ価値観が多様化しています。
例)ポートフォリオ・ワーカーの出現など)
また、かつては直接の上司や先輩が、実務指導と
ともにメンターの役割も果たしていましたが、
昨今では、ハラスメントの問題や仕事を離れた
付き合いをする難しさなど、上司と部下の関係性は
変化してきています。
現在のように将来の見通しや展望が描きづらい
環境下では、新入社員や若手社員の悩みや不安は
増し、その内容もさまざまです。その一方で、
社内で気軽に相談できるような相手を見つけづらい
状況があります。
価値観や働き方が多様化している中で、仕事上の関係
や上下関係から離れた公平な立場から相談や助言を
する存在の「メンター」が求められるように
なってきているのです。
●新入社員の効率的な育成と早期戦力化
新入社員ができるだけ早く仕事を身につけて活躍
することは、企業にとっては重要なテーマです。
人材育成を進める中にメンターが存在することで、
新入社員は仕事上の質問や相談をしやすくなります。
そして、人間関係も含めた職場環境に早く慣れること
ができ、早期に戦力として活躍することが期待できる
でしょう。
変化と競争が激しい環境下では、企業が人材育成に
かけられる予算や時間、マンパワーの余力は減って
きています。ですが、メンターが関与することに
よって、コストパフォーマンスが高い効率的な
人材育成につなげることが可能となります。
メンターを介してスムーズなコミュニケーションが
できる環境を用意することで、新入社員の職場への
慣れが早まり、早期の活躍につながることが
期待できるでしょう。
●若手社員の早期離職防止
若手社員の早期離職は、人材育成を進める企業に
とっては大きな問題です。その原因の中には
「相談できる人が身近にいない」
「アドバイスがもらえない」など、
閉塞感につながりやすい職場環境の問題が
挙がることがあります。
このような環境下で、上司・部下の関係から離れて
気軽に相談できるメンターが身近にいたら
どうでしょう。メンターに話をすることで、
メンティーは悩みや不安を解消しやすくなり、
早期離職の防止につながることが期待できます。
555 メンターの役割
~働き方や価値観の多様化のなかで~
〇人財育成をサポートする
〇プライベートをふくめプライベートを
ふくめた相談相手
〇メンティーの手本(ロールモデル)となる
〇メンター自身が成長し、成功する
666 メンター適正
〇高圧的でなくフラットな姿勢で接することができる
〇傾聴力をはじめ、コミニュケーション能力が高い
〇メンティーに対する責任感と熱意
〇多種多様な情報力、人脈、知識を持っている
〇業務上の利害関係がない事
777 善きメンターへの進化の道(メンターの要件)
〇傾聴、共感を軸としたcommunication能力、
カウンセリング技術
〇コーチィング力
〇信頼関係を構築する力
〇メンタリング実施に関する実務知識
(目的明示や進め方、守秘義務)
参考文献 株)マイナビ、厚生労働省労働局HP、
Globis経営大学院etc
未来塾 kentakunte
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