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注目の土曜ドラマ Shrink全3話完結 ー当事者からの個人的総括ー

俳優の中村倫也さん、土屋太鳳さんを迎えての土曜ドラマ、Shrink シュリンクー精神科医ヨワイーが、終わりました。

毎週、精神科に通う当事者として、精神疾患を扱う精神科クリニックのお話ということで、大変興味を持って拝見しました。

以下、一当事者の、勝手な感想、総括を書いてみました。

コミックにない要素を一番加えたという、第1話。その追加した息子さんとのエピソードが、涙を誘い、夏帆さんのさすがの演技に引き込まれ、ボロボロ泣いてしまうほど、ドラマとして完成度が高かったです。義母の余貴美子さんとの関係も、いい感じに深く描かれていました。

全体として、パニック症の苦しさもよく伝わったし、知り合いの精神科医に聞いても、とてもよくできていた、と言っていました。
1話を見た時点で、これが3話で終わってしまうというのは、残念だな、コミックは続いているので、もっと作れないかな、と思いました。

そして、双極性障害1型患者として、初めて1型患者の実情がドラマという形で描かれるということで期待が大きかった2話。少し、違和感が残りました。

先述の知り合いの精神科医も、「いまいち」と言っていました。彼は、「いろいろあるけど、医療保護入院で’1ヶ月’というところが不自然で気になった。」と言っていました。「実際、もっとかかることが多いし」と。

私自身も、入院すると90日ルールギリギリの90日間入院というのが、多いです。その他、運ばれた病院での処遇など、医学的に突っ込みたいところが多すぎて、いくらドラマという制約がある中でも、もう少し踏み込んでほしいという感じが拭えませんでした。中途半端に感じました。

そして、3話を見終わって、この手の話はこれ以上無理だな、と思いました。それというのも、ドラマとしては、見ていて苦しすぎるし、多くの疾患の発症の背後には、患者の数だけ家庭環境など理由があり、どの疾患も結局、同じような背景になってしまうでしょう。

俳優陣では、弱井先生の中村倫也さんと雨宮さんの土屋太鳳さんのコンビが素晴らしすぎて、お二人の精神科医と看護師さん役はずっと見ていたいのですが、1話以外では、お二人の出演場面が少ないと感じました。

弱井先生の大切なエピソードも省略しすぎで、描ききれておらず、もっと二人の演技を見ていたいというドラマ好きとしての願望も、結局不完全で終わりました。

また、夏帆さん以外、各回のメインの患者役の俳優さんが私は見たことのない方なので、感情移入が難しかったです。

更に、次々別の精神科の病気を紹介して言っても、ストーリー性のあるドラマにするのは、難しいと思われるので、3回が妥当だったのかも。
でも、Amazonプライムでも見られるほど、話題で人気なら、続編が作られるのは、大賛成です。

その折には、ドクターXのように、ぶっ飛んで、医学的正解を捨てて、ドラマとして面白くするのも楽しいかも。
病気の性格を、正しく伝えようという誠実さとドラマの面白さは相反するものでしょうから。

ドラマ制作の監督が、3つの回の中の一つに、摂食障害を取り上げようと思ったが、患者の背景がパーソナリティ症と重なってしまうのでやめて、男性の話をと選んで、双極症にした、とENTAMEnextに語っています。

最初から、双極症を取り上げようと思ったのではなく、玄さんが男だったからのようです。
意外な告白ですが、双極症を取り上げてくれて、結果オーライですね。
どんな形であれ、双極1型の一端が、一部の人であっても、Shrinkを見てくれた視聴者の方に届いたら、嬉しいです。
玄さんが2話の主人公でよかったです。

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また、note内で、「双極障害1型患者の考えること」というマガジンに双極性障害関係で書いた記事をまとめています。
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