日本で長く活躍できるブラジル人選手の共通項から本質を考える
サンパイオ、リカルド、マルセロ・ラモス、ウェズレイ、ドウグラスetc...数多くのブラジル人Jリーガーを間近で見たりサポートしてきた経験から、日本で長く活躍できるブラジル人選手には「まじめである」という共通項がある。もちろん、チームで活躍できるか活躍できないかには、その時の監督やチーム戦術に合わなかったりなどの外的要因も影響するので、一概には言えないが、ただ単にサッカーのプレーが上手ければ活躍できるか、といったらそんなものではない。
「まじめな性格である」「日本という国、日本人、日本サッカーに対するリスペクトがある」ブラジル人選手は、長い間活躍している、というのが私が見た、経験から言える本質だ。実際に過去、出会った初日に私が一言、(ポルトガル語で)会話しただけで、「あ、こいつアカンな」と思った選手がいた。日本人に対してリスペクトを欠いた表現や態度をとる選手だった。案の定、その選手は日本でほとんど活躍できずに消えていった。
選手の奥様を含む家族が「まじめ」「派手でない」「落ち着いている」というのも1つの大切な要素だと思う。プロサッカー選手である旦那が、ピッチの上で輝く、結果を出すためには、やはり家族が安心して、落ち着いて生活できているかどうかが非常に重要だ。そういった環境を整えるサポートが、受入クラブができるか否かも、外国人選手が活躍できるか否かに大きく影響する。
サッカー選手もビジネスパーソンも、本質的な重要性は同じだと思う。いかに人間性が大切か。まじめさや謙虚な姿勢、学ぶ姿勢、相手へのリスペクト、感謝の気持ち。そういった日頃の言動如何で、活躍できるか否か、成果が出るか否か、が決まってくると思う。
元ブラジル代表のサンパイオ選手が、広島を退団する際に言ってくれた言葉が非常に印象に残っている。「サッカーだから勝つこともあれば負けることもある。今日良い車に乗っていても明日はそうじゃないかもしれない。今日良い服を着ていても明日はそうじゃないかもしれない。今日おいしいご飯を食べれていても明日はそうじゃないかもしれない。でも変わらず重要なものがある。それが友情だ」彼のサッカーに対する真摯な姿勢、まじめな人間性、相手へのリスペクトが溢れている言葉だと思った。
サッカーからビジネスの本質を学び、ビジネスからサッカーの本質を学ぶことができる。スポーツマネジメントの面白い部分ではないだろうか。