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デザインコンペ出品は成長に必要か?
デザインワークは乱暴に分けてしまうと2つ存在します。
・クライアントワーク(コミッションで動くデザイン)
・セルフワーク(自分発信で作るデザイン)
今日はクライアントワークだけをしてきている、あるいはしたくない、していればいいのか?と疑問に思っている。そんなデザイナー、デザイナー志望の人たちに向けて書きます。
デザイン業界にいる限り、デザインコンペティションの名前を聞いたことがないという人はいないのではないでしょうか。例えば日本であればJAGDAやTDC、ADC、毎日新聞広告賞、富山国際トリエンナーレなど、海外ではD&AD、One show、NYADC、Red Dot Design、ほか多数あります。
わたしは1社目のデザイン会社で働いていたときは、わたしの上司のディレクターはこうしたコンペ出品は否定的でした。その理由は「公平に裁かれていない」ということをぼやいてました。そして2社目の会社のディレクターは逆にコンペ出品を奨励どころか、社員にほぼ義務化していました。理由は「デザインがうまくなる」ということでした。数人の社員は泣きを見ます。理由はやりたくないからです。
独立前のその会社は少数精鋭の会社で、コンペ出品時期になると、コンペに肯定的なデザイナーと否定的なデザイナーにわかれました。否定派の言い分としては、
・仕事を優先したい。(つまり出品がめんどくさい)
・時間がない。(つまり出品がめんどくさい)
・出すものがない。アイデアがない(つまり出品がめんどくさい)
こんな感じでした。だいたいこうした理由でやらない人たちは、毎年やりません。いいんです。個人の自由ですから。
ですので出品をしない根本的な理由は単純に価値を感じていないことに時間をかけるのが煩わしいんだと思います。
そこでわたしはどうだったかというと、入社2年目くらいから火がつきまして、肯定的に取り組んでいました。少しでも自分の社内での評価をあげたい、それがモチベーションになっていたな。。
では、本題の「デザインコンペ出品は成長に必要か?」
出品数 = 成長度
これはもう間違いないですから。
受賞作品数 = 成長度 ではないことがポイントです。ではなぜかですが、これは前回記事に書きましたが、審査員の評価なんて、国や文化や時代が変われば変わるからです。だから落選したときにちゃんと考えてもらいたいことがこれです。
落選 ≠ 評価に値しない作品
わたしはこの十年間での落選数はカウントしたくないくらいおびただしい数になると思うんですが、一度たりとも反省をしたことがない!笑
反省とか全く意味がないのでやめた方がいいし、落選したからって省みて次に生かすなんてことは時間の無駄なので、その時間で次を作った方がいい。あと過去の受賞作品から受賞傾向を学んで、センター試験ばりに対策と傾向とか言って学び始めるのも、つまらないデザインが出来上がるだけなのでやめた方がいい。
落選したデザイン作品の制作の過程から
学ぶことが多いんです。
数を作ること、それを評価してもらう勇気と時間、それにお金をかけること。それがデザイナーとしての成長、デザインの理解力の向上に繋がっていると確信してます。まあ恋愛と一緒ですよこれも。モテる奴はモテているという以上に失恋も繰り返してきてると思いますが、外から妬むアホはだいたい「行動していない」奴じゃないですか? だから簡単に言えばこれです。
コンペはやっておけ
なぜか? 何度もくどいようですが、デザイン力がつくからです。
ついでにセルフワークを出品される方には企画力という筋肉もついてきます。自分でゼロベースでテーマから素材から、構成から考えるからです。「ああしてください」「こうしてください」と言ってくれるクライアントがいない辛さを味わえます。やってみるといいと思います。
自由ってむずかしいんでよね。
白い巨大なキャンバスを前にして、くる日もくる日も何も描けないジャクソンポロックみたいなものです。
だから一部のデザイナーからはセルフワークをコンペに出品することに否定的な人もいますが、そうした人はそもそも クライアントワーク = 善 くらいにしか浅く考えられていないのでしょう。わたしからしたら、言わせておけば? です。
仕事において個人的なデザインの実験性をどこまで突き詰められるかという問題においては当然ですが「仕事を選ぶ」ことになります。デザイナーが仕事において実験性に傾倒していくよりも安全で着実な結果を出してもらいたい依頼主が側に立っていますから、なかなかむずかしい。
であれば、自分の表現を突き詰められる機会を大事にしませんか?ってことなんですよね。
くどくど書いてしまいましたが、まとめますね。
・コンペはやっておけ
・出品数と成長度数は比例する。数を打とう
・落選してもいいが、反省はするな
・外野の否定的な声は放っておけ