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BRANDED SHORTS 2024 レポート

米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024(以下、SSFF & ASIA)は、ブランデッドムービー(企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム)の祭典「BRANDED SHORTS 2024」を赤坂インターシティコンファレンスで開催。世界から応募された747作品の中から、Branded Shorts of the Year ナショナル部門は戦後のベトナムで忠実な一歩一歩を生きる青年を描いた東レ株式会社の「ストレートパス」、インターナショナル部門はオーストラリアの吸水ショーツブランド Modibodiによる、Z世代の少女たちの赤裸々な会話が繰り広げられる縦型動画『I’m Dying Inside』 が受賞しました。

第一部では、審査員長である高崎卓馬さん率いる浅井雅也さん、雨無麻友子さん、木村健太郎さん、箱田優子さんら5人の審査員による、ノミネート作品に関するトークイベントが開催されました。
審査員長 高崎さんの「広告的なものは時代を反映するので、今年も集まっている作品によってBRANDED SHORTSの意味合いがアップデートされていると感じました」というコメントでトークセッションをスタート。 審査について、木村さんは、「ブランデッドコンテンツだからこその手口の多様さが面白かったです」とコメント。次に雨無さんが「普段広告を作っている方、物語を作っている方で審査の視点が違うので、ディスカッションをしていてとても楽しかったです」と審査を振り返りました。
最後に、今後のBRANDED SHORTSへの期待を聞かれると、浅井さんは「縦型の動画で気軽に見れる映像や、海外向けにも共感を得ていく映像を、より多く出していけたら盛り上がるのではないかと思います」と想いを語り、最後に箱田さんが「メッセージ性が明確なものが魅力的だと思うので、そういった映像が増えてほしいです」とコメントをし、トークセッションを締めくくりました。


第⼆部では、完全栄養⾷「BASE FOOD」を開発・販売するベースフード株式会社が、 「一人ひとりが自分らしく輝くことのできる明日へ」をテーマとした、初製作のブランデッドムービー『⽗を、乗せて。』を初披露。 トークセッションでは主演の⼭崎紘菜さん、脚本・監督の常盤司郎さん、ベースフード株式会社よりマーケティング部ブランド担当の溝⼝究さんが登壇しました。
ものの価値だけでなく、周囲の⼤切な⼈たちの健康を願う温かいテーマをより多くの⽅々に届けたいと思い、この映像製作に取り組みました。耐えられず感極まってしまうほど⼼温まる素敵な作品になったと思います。」と溝⼝さんから自社初となるブランデッドムービーへの感想コメントを受け、「今回提案したテーマに、ベースフードさんが共感、共鳴してくれたので、『この映画は良いものになるな』と確信しました。」と作品に対する常盤さんからの熱い想いで回答。
続いて、主演を務めた⼭崎さんから「ブランデッドムービーだけれど、⼀つの映画を作る気持ちと変わらない熱量を持って挑みました。タクシー運転⼿役は初めて演じましたが、運転しながらお芝居をするのは難しかったですし、自分にとって挑戦でした。⼀⽣懸命頑張っている⽅や⼤切な⼈へプレゼントしたい、素敵な作品に仕上がったと思います。」と撮影でのエピソードを交えた感想をいただきました。


アワードの発表では、「“デジタル”と“人間らしさ”の融合」を体現した作品に授与するDeloitte Digital Awardからスタート。人気ドラマともリンクし話題となった丸紅株式会社 『できないことは、みんなでやろう。「紅丸」篇』が受賞しました。受賞チームを代表して登壇した丸紅株式会社の野溝友美さんは、「この作品は多くの方々に関わっていただき、テーマの通り、できないことはみんなでやろうと作ってきた作品です。この喜びを皆さんとシェアしたいと思います」とコメント。
最後に、Deloitte Digitalクリエイティブディレクターの二澤平治仁さんから『シンプルながらブランドの目指すべき姿勢がわかりやすく伝わり視聴者を映像に引き込んでいくストーリー展開や、キャスティングやキャラクター選びなど、細部にいたるこだわりから、丸紅ブランドのメッセージ「できないことは、みんなでやろう。」が伝わってきた』と、評価ポイントを述べ、締め括られました。

また、Deloitte Digitalからは、島根県隠岐郡海士町での『大人の島留学』を描くドキュメンタリーショートムービー『風のよりみち』が紹介されました。島前ふるさと魅力化財団でこの取り組みを推進する ロドリゲス拓海さんは「留学生たちは作品を通じて、自分たちを客観的に見ることができ、新しい発見があった。」、二澤平さんは「ショートフィルムに地域が持つ課題を掛け合わせることで新たな答えを見出せる。」とそれぞれコメント。地方創生、地域ブランディングにおけるブランデッドムービーの可能性について述べられました。



続いて、ブランデッドムービーの中でもHRの視点に注目し展開するHR部門 supported by IndeedのHR Best Short Award も発表され、 全国料理業生活衛生同業組合連合会の『そう、あの料理店で・・・#1修行篇』に授与されました。プレゼンターをつとめたIndeed マーケティング本部シニアディレクター田尻祥一氏は、「若い職人さんだけでなく、親方の温かい親心や愛情を感じました。雇用主、現在飲食業界で働いている人、そしてこれから料理人を目指す人など、多くの方が共感する作品だと思います。」と評価しました。


続く、第13回観光映像大賞の発表では、千葉県成田市の観光映像「空の港のありがとう」に観光庁長官賞が授与され、観光庁長官の髙橋一郎さんから賞状が授与されました。
成田空港地域映画製作委員会 代表 下田真吾さんからは「現在成田空港が、従業員不足という大きな課題を抱えています。この作品によって空港で働く価値、やりがいが多くの方に伝わり、成田空港と地域の発展に繋がればと思います。」と、主演の清水美砂さんからは「どんな賞よりもすごく嬉しいです。女優として日本という素敵な場所と立場で、より頑張らなければと思いました。 素晴らしい日本を今後も役者として表現していきたいと心から思いました。」と驚きと共に受賞の喜びをコメントしました。



イベントの模様はSSFF & ASIA YouTubeチャンネル(https://youtu.be/Qxsgz2z4flk)で視聴可能です。