日本のへそからぶらりたび 大宮八幡宮・月輪寺 鬼追式編
姫路の園教寺の鬼追いから3日後の1月21日、
また鬼追いに行ってしまった。またコイツは鬼の行事を追っかけとるんかい。そんな声がどこからか聞こえてくるかもしれない。
そんなことを心の中に留めながら、今回は兵庫県三木市の大宮八幡宮・月輪寺に鬼追式を観に行った。
大宮八幡宮・月輪寺の鬼追い式
江戸時代初期に月輪寺で修正会追儺式として行われていたが昭和14年(1939年)に中断、昭和38年(1963年)に大宮八幡宮、月輪寺の協力で有志による三木鬼追い保存会が発足。神仏集合のかたちで鬼追いが復活。無病息災を祈る三木市の伝統行事である。毎年1月第3日曜日に行われる。
三木市鬼追式の流れ
月輪寺で祈祷を受けた鬼は大宮八幡宮へ
月輪寺で祈祷を受けた後鬼たちは月輪寺 文殊堂、不動尊を回り、大宮八幡宮へ向かう。法螺貝の音が境内で鳴り響くなか、歩く鬼の姿を見ると、いよいよ行事が始まるんやなと僕まで気が引き締まった。
大宮八幡宮の拝殿に向かいたいまつを灯す
鬼たちは大宮八幡宮に入ると拝殿の方に向かう。
拝殿で関係者が儀式を終えた後、たいまつを片手に大宮八幡宮の鳥居方向へ。
鳥居に到着したら鳥居上でたいまつを打ち振る舞う。鳥居の階段上には多くのカメラマンで賑わっていた。たいまつを持って舞う鬼の姿はどこか幸せを祝福する天使のようだった。
鳥居でたいまつを打ち振る舞った鬼たちは
鬼踊りをするための大宮八幡宮の舞台へ移動。
屋台がならんでいる参道を歩く鬼を見ると、地域に根付いた年中行事なのがヒシヒシと伝わってきた。
3回行われる鬼踊り
大宮八幡宮の鬼踊りは3回行われる。それぞれ違った舞なので見応えがある。鬼たちの愛嬌のある姿を見るとより楽しめると思う。子鬼は4年ぶりの登場らしい。
印象に残ったのがマッスルポーズをする鬼、子供たちの声援にヒーローの如く手を振る鬼。
①桜の木の鬼踊り
②たいまつの鬼踊り
③赤鬼は斧、黒鬼はたいまつで鬼踊り
3回の鬼追いを終えたあと鬼たちは退散して鬼追い式が終了。本来であれば餅投げもあるが感染症対策のため今回はなかった。
かわりに餅をいただいた。
鬼追いを終えた後の鬼のお面
大宮八幡宮の鬼追式を観て感じたこと
三木市の鬼追式に訪れて、鬼は悪霊というイメージがあったが、それを払拭できたのがいちばん大きい。鬼追いといえばお寺の境内で行われるが、神社とお寺 神仏集合のかたちで行われるのも新鮮だった。世の中に一体どのくらい神仏集合の鬼追いがあるのだろうか。