サッカーアジア大会にみるサッカーの裾野の広さ
現在カタールで行われているサッカーアジア大会、日本代表は決勝T進出を決めたが、予選リーグではイラク代表に負けた。初戦ではベトナムに一時逆転された。
ここ最近のサッカー日本代表は親善試合等において厚い選手層と驚異の得点力を誇り連勝しており、個人的にはこのアジア大会でも圧倒的な力の差を示して優勝すると思っていた中でのここまでの戦い。
多くの方にとってここまでの結果は予想外の展開だったかもしれないが、サッカー界にとってはむしろ嬉しいニュースなのではないかと思う。
アジアサッカー全体のレベルアップ
アジア全体を見渡した時、日本、韓国、オーストラリアやサウジアラビアがW杯の常連というポジションにあり、その下の中堅国とは力の差がある。
日本も過去のアジア大会やW杯予選で中東勢に苦戦することはあったが、東南アジア勢に逆転される展開になったのが記憶にないことを考えると、日本はじめとしたW杯常連国に対し、東南アジア各国含むアジア全体のレベルが上がってきている証拠だと思う。
もちろん日本人にとって日本が勝つことが1番かもしれないが、強豪国が常に勝ち続ける状態が続くと大会自体の面白み、盛り上がり、発展性に欠けるという意味では、今大会は全体のレベルが底上げされてきていると思わせる大会である。
野球界を客観的に見た時に…
今大会を見ながら私はどうしても野球界と照らし合わしてしまう…
昨年のWBCの盛り上がりは年が変わっても思い出される。しかし、野球界の裾野を客観的に見るとどうだろう。
野球の場合、アジアを見渡す限り、日本、韓国、台湾、オーストラリア、中国…
この辺りが野球強豪国、というよりも野球が盛んな国、もしくは野球が行われていることが知られている国、と言った方がよいだろうか。
これらに次ぐ国…すぐに思い浮かばないところに野球の裾野の狭さを物語っている…
実際には他のアジア各国にも野球連盟が存在し、国同士が戦う大会もあまり知られていないだけで存在している。
但し、一同集まってトップチーム同士が戦う機会もないし、戦ったとしても力の差が歴然としていてサッカーのような番狂せも起きないだろうし、そもそも試合として成立しないということもあるはずだ。
日本の優勝で盛り上がった前回WBCに対しても、次回大会も同じような展開だと「同じ国とばかり試合してるな」「いつも日本で試合してるな」「日本が勝つのは嬉しいけどハラハラしないな」と冷静に見られて必ず飽きがくるのは間違いない。
アジア野球界もいつかサッカーのような裾野の広がりを期待して
ルールも複雑で道具に多額の費用がかかる野球がアジアで普及するわけはないと冷ややかに思われる中でも僅かながらも変化がある。
例えば…
中東・南アジアに発足したプロ野球リーグの今後の動向は非常に気になるところ。
今季より独立リーグに加盟する佐賀に発足したインドネシア人主体の野球チーム「佐賀インドネシアドリームズ」がアジア野球の普及に繋がることにも期待したい。
また、MLBは中国を新たな市場として力を入れている。
アジアの普及に関しては個人的にはNPBが音頭を取ってほしいところだがとにかくNPBは全てにおいてアクション、判断が遅い、内向き。
野球に対する危機感や将来構想に対して意識の高いMLBや独立リーグ等の他の野球機構や個人の並々ならぬ努力に期待せざるを得ないところは寂しいところだが…
野球においてもより多くの国々のトップ同士が対等に戦える大会ができてほしいと、サッカーアジア大会を見て思った。
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