日本プロ野球界の将来のビジョンとは…①
2024年よりNPBの2軍に静岡と新潟を拠点とする2球団が新たに加わり、2軍は14球団になることが決まったとのこと。(現時点であくまで内定という形)
目的は「野球界の裾野拡大と地域振興」。
半世紀以上もNPBの球団数が12球団のまま発展しなかったこと自体、一昔前の野球人気に胡座をかき、自分達の利益のみを追求し発展を拒んできた野球界の怠慢に尽きる。
但し、過去の怠慢をいくら語っても未来に繋がらないので、NPBを中心とした野球界は将来どうなるべきかについて考えていきたい。
新潟と静岡が選ばれた理由は…
現在の2軍リーグ構成上(イースタン7球団・ウエスタン5球団)各リーグの球団数を偶数にするために新規参入できるのは2球団になるであろうことは予想できた。
そんな中、結果として静岡、新潟、栃木の中で静岡と新潟を拠点とする2球団が選ばれた理由の1つは、人口の多さだろう。
全国20の政令指定都市を都道府県単位で見た時に、プロ野球球団が存在しない都道府県は新潟県(新潟市)、静岡県(静岡市・浜松市)、京都府(京都市)、岡山県(岡山市)、熊本県(熊本市)の5県である。
この中の2県が選ばれ栃木が外れたことは、公表されている選考理由には表れない理由としては納得できる。
安定した球団経営を行う上ではやはりマーケットサイズが重要になってくるからだ。
もう1つの理由は、どちらかというと日本の真ん中より東日本に位置付けられる静岡の球団をウエスタンリーグに組み入れた通り地域のバランスだろう。
東京・関東に球団が集中しすぎる現状より、栃木が加わることは更なる一極集中を生むことを考えると、球団空白地域の新潟が選ばれたことも想定の範囲かと思う。
将来に向けどのようなビジョンを描くのか
今回の2チーム参入が正式決定されれば、イースタン8球団・ウエスタン6球団となる。
この構成を見て皆さんの興味としては、
①東西同じ球団数にするために2軍を更に拡張するのか
②1軍も拡張するのか
になるのではないか。
ただ、その前にNPBが将来的にどのようなビジョンを描いているのか方向性をいち早く示すべきだと思う。
現時点で1軍の12球団は変えないとのスタンスらしいが…
将来的に1軍は12球団のままで変えないのか…今回新規参入する2球団の球団経営状況をみて2軍のみ更なる拡張を目指すのか…
「野球界の裾野拡大と地域振興」が目的であれば、たった2球団の拡張だけでは到底果たせないしスピード感も足りない。
水面下で議論は進んでいるのかもしれないが、将来に向けどのような構想を練っているのか、1軍を頂点にどのようなピラミッド構造を描いているのか早く知りたいところだ。
全体像が全く見えないだけに、その中での今回の1軍を持たない球団の2軍への新規参入の意図がわからない、というのが皆さんの共通した思いはずだ。
新規2球団の経営安定化がNPBの今後の鍵を握る
将来のビジョンが見えないので何とも言えないが、少なくとも今回参入が内定している新潟と静岡の2球団が2,3年後に経営を安定させられるか、これが将来のビジョン作成、未来構想の鍵を握るのではないか。
「経営が成り立たなかったので撤退します」ということにはなってほしくないし、ならないように支援はしていくだろう。
但し、もし失敗に終わった時には二度と今回のような新規参入、拡張の機運は一気になくなるのではないか。
それだけは避けるべく、NPB全体が支援しながら成功することを願うばかりだ。
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