好きなことはやる、嫌なことはやらない状況をどうするか
学習や生活の中で、自分の気持ちがどうしても優先してしまい、みんなに合わせたり、嫌な学習に取り組んだりすることを拒否するような子がいます。
拒否するときの、態度や発言、行動などから、周りによく思われないことも多く、だんだんと学年を重ねていくと、周りから相手にされずに、孤立してしまうこともあります。
もちろん、担任の先生や保護者の方からも叱られることが増えてきて、学級や家庭の居心地が悪くなってしまうことも考えられます。
好きなことは楽しそうに、しかも先陣を切って行うのに、嫌なことはサボったり、勝手なルールをつくったりしてやらないようにする。
普通に考えれば
『わがまま』
『自分勝手』
ですよね。
では、どうして周りから見て、『わがまま』や『自分勝手』と思われる行動をしてしまうのか。
原因は一つだけではもちろんないと思いますが、感覚的(直感的)な自分の気持ちが、他の情報よりも優先順位が高くなってしまうような、本人の問題と、これまで積み上がってきてしまった、失敗体験からくる環境的な問題が考えられると思います。
この『本人の内面』と『本人の周りを取り巻く環境』の二つの面から支援をしていかないと、改善するのは難しいと考えます。
本人の特性からのアプローチとして、
私が常に意識していることは、
そのような子たちの多くは、
「自分中心で物事を考えている」ということを念頭におくことです。
ですから、好きなことをするのは、本人にとって得なことですから、言わなくてもやりますけど、嫌いなことを逃げることが、本人にとって、損なことになる状況をつくることが、自分中心で考える子には効果的だと思っています。
何でも、損得で考えるのは、
「人の気持ちを理解できなくなる」
「まわりの状況を読めなくなる」
と、ネガティブな意見もあるかもしれませんが、
まずは、自分の事として考え始めないと、周りのことまで考えが及ばないと感じています。
そして、環境的なアプローチとしては、本人は、周りの人たちのためを思ってやっているのではなく、あくまで自分のためにやっているということを理解することが大切だと思います。
自分のことに必死なときに、
●もっと、周りのことを考えて!
●好き勝手やっちゃだめだよ
●自分の好きのことばかりしてずるい
●こっちは我慢しているのに
などの言葉をかけるのは、周りと同じようなことができるようになってからじゃないと、余計に失敗体験が増えていってしまうと思います。
なかなか周りの理解は難しいと思いますが、ご家庭だけでも、
「まずは、自分のことに集中した方がいいよ」
と、声をかけてあげるだけでも、気持ちが軽くなると思います。
この問題は、すぐよくなるものでもないと考えています。
だからこそ、子供たちの考え方を理解して、無理にこちらの考えを押し付けるのではなく、本人が理解できるような形で支援していってほしいなと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?