国会議員としての杉田水脈の生産性(=人事考課)に問題があっても,自民党チルドレン議員の無識ぶりは「安倍晋三の配下」ゆえ,つまりその子分であったから許された発言か(前編)
※-0 日本の国会議員の品質保証が全然できなくなってからもう何十何年が経ったか?
つい最近までこんな前国会議員がいた。元首相・安倍晋三のチルド連だと目されたた一群のなかに,しかもアベ好みだったと推測される女たちの1人の,その代表的な1人として杉田水脈前衆議院議員がいた。
この人が議員であった時期,なにかと世間を騒がせるという特技の持ち主であった立場を,遺憾なく発揚しつづけていた。
先月(2024年10月)27日に実施された衆議院解散総選挙では,自民党の内規にしたがい,比例区では連続2回以上は立候補させないという制約があって,この杉田水脈は小選挙区のほうには立候補できかったために,国会議員の立場を去った。
しかし,このオネエサン,いまの石破 茂政権が突如,もしもぶち切れ解散したりして再度,急に解散総選挙があったりしたら,あるいは来年7月に予定されている参議院の選挙に立候補する可能性が,まったくないとはいえない。
補注)標題の表現については,つぎの記述を参照されたい。
つい2~3日前だったが,10月27日の衆議院解散総選挙においては,百田尚樹を代表とする日本保守党が初めて,つぎの3名の当選者を出した。
あの,ウィキペディア引用が目立つ文体を特異(?)とする作家だったという理由でもって,一時期さらに,ヨリ・一層有名になった百田尚樹は,この男子なりの立場からであったが,例によって「頑迷固陋なる古きヤマト国的に好き(よき)男性像」を吐露したつもりか,この百田尚樹がつぎのように批判・指弾されるほかないバカボンぶりを,みずからゲロしていた。
しかし,この発言は,さすがに,赤塚不二夫を口調を真似て「これでイイのだ!」というわけにはいかないほど,程度が悪すぎただけでなく,ただちに品性そのものの欠如を思わせた。
※-1「少子化対策のために『女性は30歳過ぎたら子宮摘出』」→『こうしたらみんな焦る』(百田直〔尚〕樹)・・・保守党代表は唾棄すべき変質者だった!!」『くろねこの短語』 2024年11月10日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2024/11/post-2b77b5.html
この『くろねこの短語』の主が,百田尚樹の今回における愚劣かつ下品かな発言を,つぎのように混ぜっかえして批判していた。
ここでは以下に,『くろねこの短語』がブログ本文の下段に紹介していた『X』で巻き起こっていた発言を,その一部分でだけ紹介する。
a)「このような大胆な社会構造改革をしていけば,価値観も変わり,結婚し,子供を産むようになるとのこと」だが,「結論::これ〔日本保守党の百田尚樹(など)に議席を与えた国民が悪い」
⇒ pic.twitter.com/YmldpSeMp6 -みけねこ (@l5FTWcDUNC3718) November 8, 2024
b) 限界右翼のゴミ箱としては最適解
⇒ https://t.co/XvPzWp22Qb -umasou (@umasou_sakusaku) November 9, 2024
c)「Your body, My choice」が早速海を越えてやってきた」
⇒ https://t.co/YTeDcHwHJX -津田大介 (@tsuda) November 9, 2024
d) 有本〔香〕さん,いろいろ間違ってるよ。アナタたちはもう国政政党の代表と事務総長なんですよ。その代表が「30歳を超えたら,子宮摘出手術」と,喩え話であれ堂々といってしまう感覚に怒ってるんですよ。これは保守とかリベラル関係なく,マトモな感覚もってる人ならみんな批判しますよ。
⇒ pic.twitter.com/Fe81TWc9VM -ソラミミ (@sora__mimi__) November 9, 2024
こうした日本保守党の女性「感」は,完全に19世紀ものであった。むろん20世紀もだいぶ後半になってから問題になっていた女性「観」からも,完全に断絶したごとき「人間観」としてのその「女性感」が,恥ずかしげもなくなんというか “エラそうに” 吐露されていた。
「SF?」なのだから許されうる発言だと弁解したこの百田尚樹は,作家としての理念・思想を,いままでどのように保持・確立していたつもりなのか,噴飯モノの抗弁をしていた。日本「保守」党? 保守の政治的な歴史意味を本当には,無知のヤカラの発言であった。
『朝日新聞』と『東京新聞』が報じた百田尚樹「発言」のその後は,つぎの画像資料で紹介しておく。
誤って済むような発言ではありえなかった。まともな常識の感覚に即して判断するに,まず政党(日本保守党)の代表はすぐに辞めねばなるまい。また,作家である自分の立場に関してまでも破綻を意味したごときその発言内容は,どだいからして,支離滅裂どころか女性差別の権化になれそうなほどにまでひど過ぎた。
この種の「前々世紀から飛来した作家もどきの遺物(異物)的な」人間存在は,物書きの世界からもさっさと退場したほうが「世のため人のため」にもなる。
百田尚樹君,このさい隠居でもしたほうが「日本の政治社会」にとっても最善・最良の対応措置たりうることを,よく理解しなければならない。
※-2「杉田水脈議員 くり返す差別発言 政府の歴史認識が後押し-自民党の杉田水脈衆院議員による差別発言が止まりません。」『しんぶん赤旗』2023年11月7日,https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-11-07/2023110702_05_0.html が杉田水脈を批判した記事
まずつぎに引用するのは,この『しんぶん赤旗』が報道した記事である。
自民党議員たちの裏金問題や,先日の衆議院解散総選挙のさいしては,この問題で党の立場からなりに処分を課した連中に対しても,選挙直前になった時期であったが,党勢拡大という名目であろうがなかろうが,先日のその選挙用の使途に充てられるに決まっていた「資金2千万円を配布していた事実」を,みごとにすっぱ抜いて報道したのが『しんぶん赤旗』であった。
ほかの有力紙もさすがに,その『しんぶん赤旗』の報道を無視することができないと受けとめ,それぞれなりに特オチとしてあつかうまでもなく,重要な記事だとみなす取扱いのかたちでも,後追いの報道をしていた。
それくらいに重要な内容であったのが,前段のように『しんぶん赤旗』が特報した当該記事であった。しかも実際に,今回(10月27日)の選挙結果にも大きな影響を与えた。
1) 杉田水脈の国会議員としての言動の差別性,そのひどく品位・品格を欠いた基本姿勢。
以下に引用するのが『しんぶん赤旗』の記事本文であった。
--杉田氏は,2016年2月の国連女性差別撤廃委員会の会議に出席したさい,自身のブログに「チマ・チョゴリやアイヌ民族のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」と投稿。
これに,会議に参加したアイヌ民族と在日コリアンの女性が人権救済を申し立て,〔2016年〕9月に札幌,10月に大阪法務局が杉田氏の「人権侵犯」を認定しました。認定について取材団から問われた杉田氏は,「(投稿は)すでに削除して謝罪している」と答えています。
しかし〔同年〕10月27日,みずからのユーチューブチャンネルに動画を投稿し,「逆差別,エセ,それに伴う利権,差別を利用して日本を貶(おとし)める人たちがいる。(私は)差別がなくなっては困る人たちとたたかってきた」と述べ,
〔11月〕2日にも『正論』のユーチューブチャンネルで「(過去の発言を取り上げて差別主義者だといわれ)それに耐えられなくなって辞職する人がいたら,大変なことだと思う。言論弾圧は許してはいけない」と発言。謝罪が口先だけのものだったことは明らかです。
補注)ところで,この杉田水脈は神戸市垂水区の出身で,大学生時代は鳥取大学農学部で勉強をしてきた人物であるが〔同大学を1990年に卒業〕,社会科学的な履修科目もきちんと組まれているはずの「農学という学問」に接して大学生活を過ごしていながら,いったいその基本精神のなにを学んできたのかと不思議に感じる。
歴史のなかで実際に起きてきた農村の問題のなかには,身近な問題としてはいうまでもなく食糧の問題そのものがあり,また歴史をさかのぼれば支配統治や差別,貧困の問題があり,現在的には過疎の問題だとか環境の問題だとかなどが,いわば農学という学問全体にかかわる研究課題となって,
いわば「政治・経済・社会・文化」の全般に対して,この学問研究なりに対峙させられ研究してきた。そのように,いろいろと政治・経済・社会などの関心を惹起させてくれる対象は,なにも農学の分野にかぎらないものだとはいえ,杉田水脈もこの学問領域なりになにかを学ぶ機会はきっとあったはずだと,ここではひとまず好意的にでも解釈しておきたい。
しかしながら,この杉田水脈は大学で,いったいなにを勉強してきたのかと不思議に思わせるような,「その後における社会人(政治屋?)としての成長ぶり」を披露してきた。
もっとも彼女,兵庫県は神戸市垂水区で1967年4月の生まれで現在,御年57歳,衆議院議員を2017年から2024年〔10月〕まで務めてきた。安倍晋三に気に入られて見出されてからは,大いに目もかけられ,いわば「アベチルド連」として,そのお気に入りの1人にくわえられていた。もっとも,この元首相が死去したあとは,その庇護を失うという事情になったせいか,すっかり冴えない身の上に変質している。
〔記事に戻る→〕 杉田氏が出席した2016年の女性差別撤廃委員会の会議は,安倍政権(当時)の日本政府代表として出席した杉山晋輔外務審議官が,委員会の対日審査で「慰安婦問題に関する調査をおこなったが,『強制連行』を確認できるものはなかった」と発言した場です。
補注)この外務省官僚が慰安婦問題を排除したつもりで発言した中身は,実は2014年の夏あたりから当時の安倍晋三(政権)が,しゃかりきになってその問題の歴史的な実在じたいを否定しつくそうとした事実とも,深く関連していた。
安倍晋三はそれ以前,NHKが2001年1月の特番として放送を予定していた従軍慰安婦問題「番組」に対して,中川昭一(現在は故人,当時国会議員)と2人で動きまわり,必死になって政治介入をしてきた事実が発生していた。当人たちはその事実を否定したがっていたが,事実として番組に圧力をかけその放送内容を著しく変更させていた。
以上のごとき出来事・事件は,NHKの特番が政治(執権党)の中枢に居た政治屋たちから干渉を受けた従軍慰安婦問題として,回想,評価,位置づけされるべきであった。
ところが,事後,安倍晋三や中川昭一は自分たちの関与をいっさい否定し,完全に食言した。彼らは従軍慰安婦問題が旧大日本帝国の犯したみっともない罪である事実をよく承知していたからこそ,その「歴史の事実」そのものを抹消しようと画策した。
〔記事に戻る→〕 これ以降,日本政府は杉山発言を政府見解としています。杉田氏は,この会議に「新しい歴史教科書をつくる会」など複数の右翼的団体が構成する「慰安婦の真実国民運動」のメンバーとして参加していました。
日本学術振興会科学研究費(科研費)の助成を受けたフェミニズム研究を,杉田氏が誹謗(ひぼう)・中傷したことで,研究グループが提訴した「フェミ科研費裁判」。
今〔2023〕年5月の控訴審判決で,杉田氏の発言の一部は「名誉毀損(きそん)にあたる」として原告が逆転勝訴しました。一方で判決は,杉田氏が「慰安婦」研究について「ねつ造」だと述べた件については,杉山発言を根拠に誹謗中傷にあたらないとしました。杉田氏の発言は,日本政府の歴史認識によって後押しされているといえます。
自民党は,女性や性的マイノリティーへの差別発言をくり返して批判されてきた杉田氏を衆院比例中国ブロックの上位に据え,岸田政権でも総務政務官に任命(その後,事実上更迭)し,最近では党環境部会長代理などの要職に起用しています。
同氏がくり返す差別発言や歴史修正主義的な発言は,少なくない同党関係者の主張を代弁するもので,その主張によって獲得できる票田と支持層があるからでしょう。
杉田氏の議員としての資質,岸田政権と自民党の責任,そして人権感覚と歴史認識が問われています。(党学術・文化委員会事務局 朝岡晶子)(引用終わり)
以上のごとき『しんぶん赤旗』の記事は,その内容の最後において自民党政権なりの「歴史修正主義」まで指摘,批判していた。つまり,その見事なまでのあだ花だというべきか,まさに黒百合風に染まっていた杉田水脈の基本的に差別一辺倒の姿勢は,安倍晋三の第2次政権以来,その体内にすっかり定着したがごとき単細胞的な極右体質の具現化として,すなわち,その悪の権化的象徴となるべき役割まで付与されていた。
ちなみに,前段で形容に使ってみた「黒百合の花言葉」という表現の怖さは,そのクロユリの「呪い」や「復讐」といった解釈にあると説明されているが,21世紀になってからの,つまり,小泉純一郎政権が登場して以来の自民党はすっかり,政治家としての専門知を身に着ける以前に,一般教養すらろくに身につけていなかった大勢の議員たちが,絶対的な多数を占める洞窟になりはてていた。
そうだったとなれば,この国の為政はすでに羅針盤のないオンボロ舟同然の目標喪失状態に落ちこんでから,すでに相当に長い月日を無為に過ごしてきたとみなすほかなかった。
とりわけ,安倍晋三が自分の姓を付したアベノミクスなるアホノミクス・ウソノミクス・ダメノミクスが降,この国の経済はもちろん政治まで「後進国入り決定」を宣告されるハメになるくらい,凋落の一途へと引導してきた。皮肉にも「衰退途上国」という珍しい命名が日本に対しては付与される仕儀にまであいなっている。
この国においてその種の劣化現象が開始した時期は,本ブログ内ではたびたび言及してきた著作,経済学者・森嶋道夫の著作『なぜ日本は没落するか』岩波書店が,1999年に公刊されていたころまでには,すでに到来していたと判断するのが妥当であった。
バブル崩壊後のこの国はすでに「失われた10年」を3周回も歩みつづけてきた。その意味では,まったく能がない国家最高指導の采配・運営・政策しか展開できていなかった。
たとえば,少子高齢社会の問題で観察するに,いままでの30年間に推移してきた〈出生率の低落傾向〉は,つぎのようになっていたが,出生数の減少傾向とも併せて考えるに,その間において主に自民党政権はなにを対策として具体化してきたかと問えば,これが実質的にはゼロに近い。
現在においてたとえば,大学に進学する年代の18歳人口は当面,100万人の大台をなんとか保持できているけれども,2023年の出生数は,これを合計特殊出生率が2023年は 1.20で,前年(1.26)から 0.06ポイントの低下となった点を反映させて,72万7277人まで減少した。
17~18年後の大学はどうなるか? それこそバタバタと音を立てて倒産するかもしれない。この大学問題はいまから事前に手を打っておき,その収拾策を確実に準備していないことには,その時になってからだと混乱しか生じないことになる。
そしてさらに,本年(2024)年における出生数は70万人を切るみこみである。なぜなら,本年の前期ですでにその数は35万人を切っており,そのように推算されているのである。
以上の出生率・出生数の問題に関しては,これまで四半世紀以上もの期間が経過するなかで,しかもこの問題は事前に半世紀以上も前から「周知の事実に属した社会問題であった」にもかかわらず,日本政府(関係官庁・当局)は,いいかげんにしてかまけてきた。怠慢の一言に尽きる。
ところでこのごろは,「失われた10年」✕ 「4周回」=「40年」どころか,この国の敗戦後史においてはその「5周回分」の期間全体にかけての失政があったのだ,という解釈をほどこす本を書いた日本の政治学者がいる。その本は,山口二郎著『日本はどこで道を誤ったのか』である。
さて,以上が本日,2024年11月11日の記述をおこなうに当たり書いてみた「前文」であるが,すでにこの分量はだいぶ増えてきたので,いまからだと約6年と6ヵ月ほど以前になるその記述じたいは「本稿(後編)」にあらためて書き出す(復活・再掲する)ことにしたい。
ということで,本日の記述に関連する参考文献としては,つぎの「NHKの特番に裏から政治介入した安倍晋三ら」の暗躍ぶりを解明,批判した書物を主に紹介しておきたい。
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【付記】「本稿(後編)」のリンク先住所はこれ( ↓ )である。
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