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1941年「夏」戦時体制下日本はすでに敗戦することを社会科学的に予測しえていたが,昭和天皇裕仁は納得ずくで大元帥の立場から大東亜戦争開戦に賛成する御名御璽に応じたのは,勝算ありと期待したからだったが,敗戦となるや東條英機のせいにして自分だけは戦犯から逃れ延命するという姑息に遁走,これを利用してマッカーサーもまた自分の栄誉をさらに昂揚させようと企図した戦後敗戦史


 ※-1 猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』世界文化社,昭和58年8月発行の意義

 この猪瀬直樹の本,『昭和16年夏の敗戦』は副題に「総力戦研究所 “模擬内閣” の日米戦必敗の予測 」というやや長い文句を付けていた。この本はつぎの画像資料で紹介するが,2010年に中央公論新社から文庫版でされ,さらに2020年には新版にあらためて発行されていた。

 猪瀬直樹のこの本の初版は,昭和58〔1983〕年に世界文化社が公刊しており,同社の〈Bigman ブックス〉の1冊として制作・発売されていた。その内容の概要は,下のアマゾン通販を借りた本書の紹介(こちらは2020年に発行された『新版』となるが)にも書かれているが,その点をさらにくわしくのぞき紹介してみることから,本記述を始めることになる。

 世界文化社から発行された〈初版の表紙カバー〉は,本日検索してみたアマゾン通販の店頭においては,画像資料として(前段のような画像資料)は出ておらず,空白あつかいになっていた。そこで,ネット上からそれを探し出し,つぎに紹介することにした。

 この表紙カバーは,東條英機の画像を一部(左下)に配置・利用していたが,なぜ昭和天皇裕仁ではなく,東條をここに描いておくことにしたのか,という素朴な疑念=「一考の価値あり(ということ)」といったらいいような感想が湧いてこないではなかった。

この東條英機にすべての戦争責任を押しつけるかたちで
裕仁天皇は敗戦後を上手に延命していく

そのさいマッカーサーも手助けする協力関係が形成されたが
東條英機はそれでも自分は陛下のために命を捧げるのだと信じることができた

登場はいわゆる天皇教の熱烈な信奉者であった

それでも東條英機はいわば極楽トンボそのものを演じながら
13階段を従容と昇ったことになる

裕仁氏はいい部下をもっていたが戦争には完敗した

 まずともかく,つぎのような本書,猪瀬直樹の著作に対する評判を聞いておきたい。『日本経済新聞』から2点紹介する。

    ◆「〈読書日記〉 作家・山田宗樹(4)
       『昭和16年夏の敗戦』 今こそ歴史に学ぶとき」◆

 =『日本経済新聞』2012年12月26日 15:30,https://www.nikkei.com/article/DGKDZO49989150V21C12A2NNK000/

 私が本を手に取るきっかけはさまざまだが,最近多くなっているのがツイッターだ。ほかの人のコメントを読んでいるうちに興味を引かれ,ついネット書店で注文してしまう。猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)も,そうして出会った1冊であり,そして,読んでおいて良かったと心から思える数少ない1冊でもあった。

 太平洋戦争直前,総力戦研究所という名前だけは勇ましい「人材養成所」が設置され,そこに集結した若手エリートたちが日米開戦した場合のシミュレーションを行い,戦争の経過をほぼ正確に予測した上で「日本必敗」の結論を下していた。

 恐ろしいのは,それをまったく活かすことなく破滅的な戦争に突入してしまった当時の「空気」が,現在も形を変えてこの国に存在していることだ。それに気づかないまま戦争とはまた違う破滅の道を歩んでいるとしたら,これほど愚かしいことはない。

 この作品は開戦50年特別企画としてTVドラマ化されたが,ぜひ再映像化してほしい。いまのような時代にこそ,歴史に学ぶ必要があると感じるからだ。ともあれ,東條英機が首相に就任したせいで日本は戦争に突き進むことになったと信じている人には,なにもいわずにこの本を読むことをおすすめしておく。

山田宗樹の『昭和16年夏の敗戦』に関する感想

 つぎは画像資料にしての紹介となる関連の新聞記事。

焼き捨てたはずの敗戦予測であったが
その後の現実そのものとなっていた事情経過を教えている
有澤広巳はよくぞこの資料を保存してくれた

  

 ※-2「〈読むヒント〉「敗戦75年 日本なぜ開戦? 恐慌で社会不安募る国際協調やめ賭けに」『日本経済新聞』2020年12月21日 2:00,https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH144NK0U0A211C2000000/

 この解説記事は全文をそのまま引用するが,興味をもつ読者であれば各段に紹介されている文献を,その全冊とはいわないけれども,とくに関心の湧てくるような本があったら,入手して読んでみるのもいい。それらの文献はアマゾン通販を借りて,末尾にあらためて一括紹介してある。

敗戦後にこそ戦前における人口の倍になっていた事実は
どう解釈されるべきか?

 --今年〔2020年〕は1945年の敗戦から75年,来年12月には日米開戦から80年になる。なぜ,国力で圧倒的な差のある国と戦ったのか。勝ち目がないのに,どうして始めたのか。破局への流れを振り返り,考える。

 日本は明治維新後,近代国家として,自立に成功すると,領土と勢力圏の拡大を追った。世界恐慌などの危機に遭い,それまでの国際協調路線がくずれる。中国と米国に敵対し,国際的に孤立。戦争に突き進み,壊滅的な敗戦を迎える。

 始まりは明治からの大陸進出だった。なぜ外に向かったか。国々の動きを地理的な条件で読む地政学で考えると,分かりやすい。

 防衛上の理由が大きかった。中国,ロシアの脅威から安全と生存を守るには沿岸防衛では足りない。大陸に拠点が要る。そう考え,日清・日露戦争では大陸に軍隊を送り,結果として植民地をえる。

 だが,「大国意識と権益の拡大の要求がくわわることで,日本の大陸政策は膨張の一途」(庄司潤一郎・石津朋之編『地政学原論』)をたどる。

 ついで,人口急増が拍車をかける。明治初めに3500万人だった人口は,昭和初期,6500万人を超えた。食べるには農地が要る。「多くの人々が日本は人口過剰であるがゆえに対外進出しなければならないと主張していた」(原田泰著『日本国の原則』)

 満州事変(1931年)で大陸進出が本格化する。中国東北部に満州国をつくり,国策として,開拓民を送りこむ。ソ連の軍事力増強や日中戦争開始などの不安はあったが,不況に苦しむ国民には,魅力的な「新天地」にみえた。

 終戦〔日本にとってはみじめな敗戦〕までに農民など約27万人,企業や公的機関も含めると約140万人が移り住む。作家,檀一雄は2度,現地で暮らす。馬賊の婿入りや原始的な狩猟生活をするといった夢物語を書きとめた(『青春放浪』)。

 敗戦で国が崩壊し,多くが難民となり日本に引き揚げた。成功から没落へ。中国・牡丹江生まれの作詞家・作家,なかにし礼の自伝的小説『赤い月』は,人々の過酷な境遇を描く。

 登場人物の1人は国だけでなく「国民も一緒になって小さな化け物になっていく」と語る。大陸進出を多くの日本人が支持し,幻の国をつくったことを示す。

 井上寿一著『日中戦争』は,政党や国民が大陸進出,戦争に協力したと指摘する。国の強制ではなく自発的だったのは「政治的,経済的,社会的地位の上昇」が期待できたからという。

 民主主義が未熟だった。昭和恐慌で農村は窮乏し,倒産が続出,都会は失業者であふれた。政党や財閥への不信が広がり,軍国主義が勢いづく。政治の中心が危機に対応できない政党から,軍部へと急速に移る。

 補注)2025年2月の現段階になった「日本の民主主義の状態」を観察してみても多分,いまだに未熟でありつづける『この国の事実』そのものは,21世紀に入ってからの現代日本政治史における「現実政治の態様」そのものとして,過去からの連続性ある事実史としてなのだが,その回顧などしたくはなくなるような「政治過程のみにくい展開」ばかりを披露してきた。

 なかでも,最悪だったのはいうまでもなく,2010年代の安倍晋三「第2次政権」以降の「7年と8ヵ月もの長い期間」であった。この時期において明確に結果されざるをえなかった事実は,日本の政治も経済も社会も伝統も歴史も,グジャグジャの腐敗物になりはて「させた」,つまり,あの「子どもの宰相の劣悪で幼稚きわまりない」為政者の演技を介して,本当にこの日本を没落させてきたところにこそ,集約的に表現されていた。

 いってみれば,この国全般がまさに「安倍晋三という幼児的な政治屋」のオモチャと化す惨状を呈してきたなかで,もしかすると,この国じたいを「修復ないしは再起動させる手順じたいが不可能になってしまった」かのような「絶望的な現況」にまで逢着してしまっているいってもいいくらい,この国は万事が低調のなりはてたいわば「衰退途上国」になっている。

 昨日,我が家に届いた旅関係の情報誌は,どこか地方のリゾート高級ホテルが「二泊三日で25万円のプラン」とかなんとかと,たいそう高水準の価格帯である旅行先の宿泊条件を案内していた。こうなると,最近であれば日本人たちに比較して,ちょっとした金持ちになるかもしれない外国人訪問客であれば,それほど高くはない価格設定だと思われるが,

 しかしそういう現状のツーリズム事情になっているようでは,日本国内で暮らしている一般的な所得水準(以下・未満)の,貧乏な低所得層に属する「われわれの財布の中身」をのぞきながら感想をいうとしたら,いまの日本社会において一部のとても恵まれた,

 年収でいえば1500万から2000万円以上はある所得層でないと,インバンド需要でつり上げられているホテル・旅館(もちろん高級なところ)の高価格帯における料金設定(固定化現象)のそこには,とてもではないが,もうたとえ1年に1回でもいけないな,という印象を抱かせられる。こうなるとそうした価格帯料金のホテル・旅館の利用など,われわれビンボー人たちはおそらく死ぬまで無理だなと諦めるほかない。

 そもそもこのごろは,ビジネスホテルの料金も急に上昇しており,一般企業に勤務する従業員たちが出張するさい,ホテルに予約をするにしても,その全般的に高価格化した現状にはみなビックリさせられている。既定の出張経費で支給される金額では,軽く足が出てしまうほどの高水準にまで宿泊費が上昇している。 

 補注)前段のなかに登場させたすでに故人であるが,安倍晋三とは朕愚(チング)の間柄であったフジサンケイグループでは,これまで40年以上もの長期間,「陰のドン的な実力者」である立場を専有してきた日枝 久などに対しては,もはや好き勝手ばかりをさせえないようにするかもしれない,つまり時代状況の変質が,海外において同グループの株を大量にもっている投資会社(ダルトン社,7%保有)からの直接的な批判が飛びこんで来てもいる。

〔以上の補注をはさんで記事に戻る ↓
 財政・金融政策の失敗が重なり,社会不安が募る。中国で噴出した反日・抗日の動きなども国民に「軍部の膨張政策を支持させる結果を招いた」(猪木正道著『軍国日本の興亡』)。

 さらに,国際協調に背を向けたことで,対米英戦の可能性が高まる。世界恐慌の影響で国際通貨制度「金本位制」が働かなくなり,協調の土台そのものが崩れた。自由貿易が減り,保護主義が広がっていた。満州事変後,日本は国際連盟を脱退し,孤立する。

 とくに,米国との関係が悪化する。1920年代に米国が主導した東アジア・太平洋地域の国際秩序,ワシントン体制に敵対したためだ。米国は,中国での権益が損なわれると,日本に抗議を繰り返すようになる。

 仏印進駐と三国同盟が決定的だった。歴史家の戸部良一は,日本がドイツと結び,武力で南方に進出すると,日本を現実の脅威とみなさざるをえなくなった,とみる。「こうして,アメリカは日本の前に立ちはだかってくる」(筒井清忠編『新昭和史論 どうして戦争をしたのか』)

 原油の全面禁輸などの経済制裁が発動されると,日本は開戦を決意する。経済力が10~20倍の米国と戦えば,高い確率で敗れると統計データが示していた。あえて低い確率に賭けた。

 危機には人も組織も合理的に動くとは限らない。終結の見通しもなかった。「それゆえに戦争を始めた」(牧野邦昭著『https://amzn.to/4hIEKds』)という。

 〔21世紀のいまの〕世界では保護主義が広がり,国際協調が衰えつつある。強権的な指導者が現れて,民主主義を脅かす。コロナ禍が国同士の争いを促す。人も国も,どう動けばいいのか。科学を無視した不合理な決断が惨事を招く。失敗の教訓を私たちは生かせているだろうか。

 なお,以上につづけて【さらにオススメの3冊】〔としてつぎの本が推奨されていた〕

 『満州事変 戦争と外交と』(臼井勝美)…史実を詳細に記録。
 『避けられた戦争』(油井大三郎)…戦争を避ける道は,1920年代にあった。
 『日本はなぜ開戦に踏み切ったか』(森山優)…誰が,どんな過程をへて,決定したか。

-----ここでとりあえずアマゾン通販での文献紹介を挿入------
---------- --本文はこの以下に続く------------


 ※-3 余談的に『日本経済新聞』2014年11月12日から関連するコラム記事も紹介する

 この『日本経済新聞』の「交友抄」は,いささか自慢話風の語り口がひっかかるが,その感想はとまれ,猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』という著作にかかわってはとなるはずだが,こういうふうなとりあげ方までなされた。『昭和16年夏の敗戦』という書名にまつわる話題を,思い出話を枕言葉的な素材に利用してこのエッセイ的文章をつづっていたらしい。

https://kjass.net/jasc-japan/publicity-nikkei-141112.html
から借りた画像資料


 ※-4 戦争をするとどうなるか? 人の命が大量に奪われモノについては膨大でかつ無駄な浪費・濫用がおこなわれ,地球環境を大々的に破壊する行為そのものともなる

公表された数値が全面的に信頼できるかどうか
疑問がまったくないわけではないが

とくにロシア側の犠牲者数は
兵士を完全に消耗品(大砲の餌)ともみなせる用兵がなされており

ウクライナに比べて死者・負傷者ともに倍(以上)の犠牲者を
出していると推測されている事実は自然に認められる

 この※-4の標題に即して思うことがらは,現在進行形でまだ休戦にすら至っていない,あの「プーチンのロシア」によるウクライナ侵略戦争,2022年2月24日に開戦してからすでに3年近くも経っている。

 ところが,あの「ロシアの凶人プーチンの狂気」が,それこそKGB的な感性(平気で自分に反対する者たちを殺していく反射神経)でもってまたさらに,隣国に対する無差別的戦争行為を継続してもいる。ロシアの政治経済における「戦時経済体制的な実状」は,すでに同国を崩壊させかねない危機に近づいていると,この事実をロシア経済を専門とする研究者たちはすでに指摘している。

【参考動画】ーロシア将兵の損害数(死傷者)は85万人だという推定-


 本日のこの記述では最初にとりあげたというか,戦争,それも日本が太平洋戦争(大東亜戦争)にまで突き進んだ「当時における世界の情勢と日本の事情」については,この議論に関連する基本文献として代表させてみた,猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦-総力戦研究所 “模擬内閣” の日米戦必敗の予測-』世界文化社,1983年が以下のように,べた褒め的に,もちろんこれは宣伝文句としてであるが,紹介されていた。

 猪瀬直樹自身はのちに,東京都知事に当選していたものの(第18代,2012年12月18日~2013年12月14日が任期),金銭問題をめぐる醜聞的な対応をもってわずか1年ほどの任期で,その座から辞去せざるをえなくなっていた。作家業に徹していればと思ってあげても “あとの祭り” であった。政治に色気を出したばかりに,結果として「不本意な人生の記録」を残した。そのように観察するほかなくなっていた。

 その種の人物論はさておき,猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦-総力戦研究所 “模擬内閣” の日米戦必敗の予測-』1983年は,以下のように(とはいっても宣伝の美辞麗句風な文句からの引用となるわけだがそれでも)べた褒めされてよい中身であった。

 というのも,これらの文言は新版を発行しなおすにあたり,それまでの本書に対して出ていた世評の良さを,格別に強調してもいたからである。なお
以下では〔 〕補足は引用者である。このなかに登場する人物のなかには「不適マーク」を貼り付けたい人物が2名ほどいたが(冨山和彦と三浦瑠麗のこと),ここを借りてする直接の批判は禁欲しておく。

 各界の著名人が絶賛!
 日本的組織の構造的欠陥に迫る,全国民必読の書

〈広く読まれるべき本。講演で何度もすすめている〉
    小泉純一郎 -元内閣総理大臣-

〈データを無視し「空気」で決める。この日本的悪習を撤廃しないかぎり,企業の「敗戦」も免れない〉
   冨山和彦 -経営共創基盤代表取締役CEO-

〈これは過去の歴史ではない。いまだ日本で起きていることだ〉
   堀江貴文〔-ホリエモン-〕

〈私は,本書をまずまっ先に読むように若い学生諸君に伝えたい〉
   橋爪大三郎 -社会学者,大学院大学至善館教授-

〈結論ありきで大勢に流される日本の弱点が活写され,時代を超えて私たちに問いかける。あれからいったい何が変わったのか,と〉
   三浦瑠麗 -国際政治学者〔?〕-

 日米開戦前夜,四年後の敗戦は正確に予言されていた!

 平均年齢33歳,「総力戦研究所」の若きエリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでもなお開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視し,無謀な戦争へと突入したプロセスを克明に描き,日本的組織の構造的欠陥を衝く。

〈巻末対談〉石破 茂 × 猪瀬直樹

猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』の売り文句

 

 ※-5 総力戦研究所に関して主に比較的早い時期に刊行された著作の紹介

 1)1983年発行のこの本。

 2)1985年発行のこの本。

 3)2018年発行(初版は2010年)の本

 4) 1983年発行の本だったから,猪瀬直樹の本が出版された年と同じである。また出版元も同じで,さらに発行された月もこの年の8月中に同時に発売されていた。


 以上の記述を受けてとなる本文の続きは,実は,途中でも触れた,いまもなお交戦中である「宇露戦争」の両国が出しつづけている戦争犠牲者,兵士のみならず民間人のそれらを,どのように受けとめ考え,戦争というものの本質を「批判するためのより正常な精神保持」の必要性を議論したかったのだが,内容上の区切りがよくなったここらで,いったん記述を止めておくことにしたい。

 最後に,続編でとりあげる素材を紹介しておくかたちで,本日のこの記述を終わりにしたい。

 その素材とは,『日本経済新聞』が2025年1月6日から17日まで連載記事として,朝刊の「経済教室」欄に収録・掲載してきた「 ロシア戦時経済の憂鬱」という論稿が,一橋大学教授岩崎一郎によって寄稿されていたものを指す。

 コラムに囲み記事的な枠のなかで10回に分けて構成されたこの寄稿であったが,これらを本稿のなかにとりこみ,一回分にまとめて紹介するとなればさらにだいぶ文字数を喰うことになるので,本日の記述は前論的,前書き的な「以上の記述」のみで我慢し,収めておくことにした。

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【付記】 本稿の続編はこれである。

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