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皇室における男女平等問題に関する若干の吟味

 ※-1 皇室家族のある1葉・写真

 以下に紹介する『朝日新聞』の皇室写真に写っていた平成天皇明仁(1933年12月23日生まれ)が退位するのは,2019年4月30日のことであった。その時,彼の年齢は85歳であった。みずから強く希望するかたちで退位を実現させたが,そのおりにはいろいろと世間の側でもたいそうな〈話題かつ騒動〉になってもいた。

 というのは,いまの憲法のなかには天皇の退位を正式に認めてもらえる条項は,どこをみてもなく,どう解釈してもありえなかったからである。しかし,高齢のために自分の仕事(いわゆる広義の公務まで)全般をこなすことが困難になった点を理由に,明仁は結局,その自分の希望を成就させた。

いつもなごやかにみえる皇室写真

 この皇室の人びとが写っている集合写真はともかく,向かって左側から指摘して

 〔雅子と徳仁夫婦〕⇔明仁美智子夫婦⇔文仁夫婦〔秋篠宮と紀子夫婦〕

という構図になっていた。

 この写真の撮影は宮内庁側が担当したものと思うが,あれこれを相当に配慮したうえで撮影したのち,世間に向けて公開していたはずである。もっとも,いつものとおりのことではあったが……。

 この写真においては,「徳仁(長男)⇒ 明仁」とが隣りあわせに座っているのに対して,「美智子⇒ 秋篠宮(次男)」という同じく隣りあわせでの配置関係となっており,各自がそれぞれの座席を占めている。

 要するに「長幼の序列」と「男女の区分」との基準が,こうした皇室家族たちの集合写真においては,端的に,すなわち正直によく表現されている。

 また,明仁のうしろの位置には孫の愛子,そして,美智子のうしろの位置には悠仁がそれぞれ立っている。

 以上のごとき,宮内庁が世間向けに公表する写真1枚であったが,いろいろと入念な配慮をくわえてから公開される事情は,それとはなしにでも,明確にわれわれの側にも伝わってくる。


 ※-2『日本経済新聞』2018年5月21日に公表された平成天皇夫婦の記事とその写真

2018年5月時点で報道を介して公開された平成天皇夫婦「肖像画用の写真」

 この記事で注意してほしい点は,添えられていた平成天皇夫婦の画像は「上半身」しか写っていなかったことである。ついでにだが,『産経新聞』が伝えた当該の同じ記事は,こういう要領になっていた。こちらは2人の画像は腰のあたりまでが画像に写り,入っていた。

「御物(ぎょぶつ)」としてウンヌンされるところが
いかにも皇室関係の報道ぶりだという印象を受ける

昔は天皇の写真が新聞紙に出ている時は
帝国臣民はその取扱に厳重に注意する必要があった

 ここで昔というのは,敗戦(一応・新憲法制定)以前の旧日本大帝国においては,天皇に対する不敬罪という「罪と罰」が,正式に制度化されていた時代を意味した。

 その「不敬罪」とは,「天皇・太皇太后・皇太后・皇后・皇太子・皇太孫・皇族・神宮または皇陵に対して,不敬の行為をすることによって成立する罪」だとする規定をもって,刑法に規定されていた。

 だが,昭和22年(1947年)10月26日に公布された「刑法の一部を改正する法律」は,不敬罪を廃止した。

 さて,※-1からのつづきの話題としてだが,平成天皇夫婦の肖像画についてさらに言及してみたい。

 つぎの記事は2018年ではなく翌年,2019年の2月2日に報道された『日本経済新聞』の記事である。これに添えられていた平成天皇夫婦の肖像画は,立ち姿で撮影されていたわけだが,これを額縁に納めたかたちで正式に,世間に向けて公開された事実を報道していた。

平成天皇夫婦肖像画が公開されたというニュース

 さて,この肖像画であるが,この立派な額縁に囲まれた平成天皇夫妻が並んで立って撮された「構図」の細部に,あえてこだわる指摘をしたい。その前にこの画像じたいをさらに大き目の版に変えて紹介しておこう。関連する説明というか,観察者なりに感じた点を,次段に少し記述する。

平成天皇の頭部はいつもそうであったが
全身のなかでやや不釣り合いに映るところがあった


 ※-3 前掲した平成天皇夫婦の写真(足元まで全身の立像「構図」)で特徴的であった点

 一番強く感じるのは,2人の着衣だとか装飾品だとか,そのデザインや色調よりも,この天皇と皇后(当時の平成天皇夫婦)が,この画像のなかでも明確にく判明しやすかった,その立ち位置の「前後関係」に特徴的であったある事情が観取できる。

 つまり,皇后美智子の立つ足元の位置関係をよく観ると,天皇明仁のそれよりも確かに「半歩分は後方に立つ位置関係」を取っている。換言すると,皇后は天皇の半歩後方に立って,この写真を撮影させて(させられて?)いた。

 このような天皇夫婦が写真に撮されるとき,その前後の位置関係をそのように保つやり方は,ここであえて指摘するまでもなく,他者の誰であっても〈特定の所感〉を生じさせる。なぜ2人は,同じに並行した位置に立って撮影しなかったのかとの疑問が,しばしば湧いてきて当然であったからである。そう感じる者がいたところで,なんら不思議ではないのである。

 つぎに紹介する画像は,現在の天皇夫婦がイギリスに滞在中に撮影されていた画像の一葉である。徳仁夫婦とチャールズ夫婦とがいっしょに撮影されていが,たまたまのスナップショット的な写真であっても,雅子の立っていた位置関係をみると,この画像内でもやはり半歩から1歩ほどうしろに構えるような位置関係を取っていた。

日本の皇室とイギリスの王室は同類として仲良くすべき因縁があった


 日本には「夫婦茶碗」という食器が組みあわせで売っているが,この徳仁夫婦の場合,この「メオトじゃわん」の造りがいつでも必らず,「男:大き目,女:小さ目」でいいのかなどと邪推したくもなる。これは冗談じみた話だが,かといって百%,その種の戯れ言ではない,などと想像してみることもまた,「脳細胞」をよい意味で刺激する〈発想〉たりえよう。

いまから11年前の『週刊朝日』

 上にかかげた画像資料は『週刊朝日』2013年11月29日号の表紙である。下部に「美智子さま 合葬固辞した胸の内」という記事が,この表紙の宣伝文句としてならば,一番大きい活字になっ印刷されていた。

 その記事のなかから,つぎの画像を紹介したい。 

左側に配置されているのが平成天皇夫婦のために予定されている
「墓(陵墓)の概図」である

中央部と右側にはすでに昭和天皇夫婦が埋葬されているわけだが
その「墓」の概図も併せてここに並べて記載されていた

 前段に紹介した平成天皇夫婦用の陵基を建造する予定地内の位置関係は,つぎの東京都八王子市に位置した(道路でいうと八王子JCTのほぼ東北東方向),大正天皇以後の「各代天皇夫婦用の墓々」を参考にすれば,よく確認できる。新しく敷地が整備された左側の場所が,「平成天皇夫婦の陵墓」が建造される区域である。

まるで古墳そのものであるが
実際明治天皇の先代に当たる孝明天皇の代から

このような古代史的な様相そのものである
天皇たちの大きな墓が復活させられ造られるようになった

現状までの様子だと徳仁の代になってもこれとほぼ同等の陵墓が
建造されるのか?

 以上,近現代史における古代史とみまごう古墳物語の実話風的な言及になったけれども,ところが「これ,現実の話題」であった。もちろん,われわれの税金を充てて「この種になる〈21世紀古墳物語〉」が創作されていくのが,「民主主義原理にもとづく(と思われる)日本国憲法を戴く,この国のありよう」の,そのまた特徴にもなっている。

 本日のこの記述については,本ブログ内では関連して,つぎの論及をしていた。そのリンク先住所を付記しておく。以上の論点をさらにくわしく解説,議論したものである。

 話を本論に戻す。要は,2024年中に報道されたつぎのごとき報道とも,なにやら深い因縁,それも本格的な関連性を観取すべき「日本社会的な論点」がありやしないか,という帰結に逢着する。

 たとえば,この地球上で別姓を認めていないのが,この「世界に冠たる不名誉なその唯一の国のこのJAPAN」であった。つぎのように報道された事実はけっして,以上の論じてきた内容とは無関係ではないどころか,その関係大ありであった。

イギリスが出ていないが・・・
 
日本は「なんと韓国や中国よりも下位」で
しかも最下位にかなり近い順位に着けつづけてきた

ところで「矢印」をみると
「改善(している)」とはどういう意味か?

 21世紀もここ〔2024年〕まで来たが,「日本の政治と経済と社会」の「成熟度と実力と品格」の現状は,まるで「失われた10年」が第4周回目にまで突きすすんだかのごときに,さっぱり,駄目・だめ・ダメだらけになりはてていたのではないか。

 つまり,あの安倍晋三(「がー……」)の第2次政権以降,どうしようもないくらいにまでなっている「この国全般にまでおよぶ惨状ぶり」に対しては,大反省が迫られていた。

 男女共同参画社会という標語が高唱されてから,すでにだいぶ時間が経っているが,この日本国内の現状はまだまだ,女性差別が隠微にだが激しい状態のまま残存している。

「良き企業市民」とは
グッド・コーポレート・シチズンシップの日本語訳

日本における「一般市民」はいまだに「皇国臣民」レベルであるのか?
夫婦同姓だという決まりは実は

明治維新以降に創作された日本的家・家族制度の因習に過ぎなかった
ありがたくない「明治謹製」の贈り物

 当然,その「日本の政治」のなかには「天皇・天皇制」をさらに,どのように制度変更して(改廃も含めて改善・改革をめざして)いけばよいのかという問題意識が,控えていた。これは,誰もがけっして避けて通れない日本的に重大かつ深刻な論点であった。

経団連にとってみれば「別姓を拒否する自民党政治」は
ビジネス・リスクだとまで断定するほかなくなっている

 いまの自民党と公明党の野合政権,10月27日の衆議院の解散総選挙でどういう結果になるか? このもっとも野合性の高度であるご都合主義政権は,いい加減,堕落と腐敗ばかり犯してきた。ところが,反省の色などまったくみせない連中である。10年以上も同一政権が政権の座に居たら,腐敗・堕落するのは必然の理である。

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