行き止まりであっても生きることをやめない~『スタジオジブリ絵コンテ全集19 風立ちぬ』~
印象に残ったセリフ
感想
私は『紅の豚』『風立ちぬ』がジブリ作品で好きだ。友達同士で「どの作品が好き?」みたいな話が出た時に大抵の人が「千と千尋、もののけ姫」と言う。私の感性がずれているのかな?
それは置いといて、私は『風立ちぬ』が好きである。大人の恋愛、人間が見えるという理由で好きなのかもしれない。
ラストシーンは『カサブランカ』のラストシーン「私たちの友情の始まりだ」みたいで物凄く好きだ!!!!
この作品全編を通して、”生きること”が強調されている。絵コンテを読んでいて思ったが”生きる”というセリフが多い(同様に喫煙シーンも多いが)。それほどまでに生の大切さを諭している。
絶望、結核という生の行き止まりにある人々が己の役目を全うして生きている。「果たして私は己の役割を全うして生きているのだろうか?」と考えた。
毎日安楽で怠惰な生活に身を浸し、堕落している。特に行き止まりにぶつかることもなくのうのうと生きている。これじゃいかん!生き急ぐことはないが、現状維持をせず、今日よりも明日、明日よりも明後日という気持ちで生きていこうと決意した。
『ポニョ』に夏目漱石の影響があることは初めて知った。『ハウル』以降、監督は日本文学全集を繰り返し読んだそうだ。私の部屋にも偶然あるので読んでいこうと思う。まずは、堀辰雄の本をもう一度読んでみようと思う。
『ドクトル・ジバゴ』堀田善衛の本も読んでみようと思う。
書籍情報
スタジオジブリ絵コンテ全集19 風立ちぬ
宮崎駿
2013年9月5日 2刷発行
徳間書店