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コロナ直後の日本株の風景

さていよいよ、2020年3月の株価急落の話です。当時のマーケットの状況を少し遡ってお話しします。コロナウイルスはご存じの様に前年の12月に中国武漢で発生し、既に大きなニュースになっていました。

ただ、株式市場にはそれほど影響はなかったのです。では日本株式市場が崩れるきっかけは何か。それはアメリカの株式市場の暴落です。中国だけの限定の病気ととらえていたのが、アメリカにも広がり死者が出始めて、株価が下がり出すのです。

株式市場は、不確定・不確実な要素を嫌うのです。プロがまずはいち早くその察知に気づき、売り注文を出し、換金するのです。それに続いて凄腕の専業投資家、さらにその動きの後、一般投資家が動くのです。

日本の株式市場の約7割は外国の投資家の資金で動いているといわれています。彼らが日本株を売れば株価は下がるのです。これは今でもそうですから、日本株を勉強し始めた方は、知っておくと今後のためになると思います。

私の当時の感覚では、一週間から10日ぐらい毎日恐ろしい勢いで
持ち株の株価が急落していきました。普通は3日ぐらい連続で下がると、
値ごろ感から買い注文が増えて、株価は下げどまり、上昇し始めるのが普通なのです。私も狙っていた割安の株に注文するのですが、買ってもさらに値段が下がり、あっという間の含み損。

と同時に、持ち株で購入額より高い株は、とりあえず売ってキャピタルゲインを得る作業もしないといけないので大忙し。

そして驚いたのですが、日本株より、不動産リートのほうがはるかに下落率が高くて、私としてはあまり値動きのない、自分のポートフォリオの守りを固めるつもりで買っていたのに、その逆でこういう危機には全く役にたたないことをこのコロナで学ぶことになったのです。

そのリートの想像を絶する下落の理由は、あとから知ることになりました。
リートを保有する地銀を中心とする金融機関が3月決算に備え、売って換金化したのが大きい理由だそうです。

さて、日本株の下落の底周辺近いころ、日経新聞のコラムにひふみ投信の最高運用責任者兼社長の藤野英人さんのコメントがあり、投資家の間に評判となりました。

なにか。コロナが暴落する前に、少しずつ投信の株を売って、3000円億円の現金に換えていたのです。そのお金で今から買いに行きますとの宣言でした。

私はびっくりです。私はマーケットが崩れながら、持ち株を売っていたのですから。プロは変調に気づいたのです。
続きは次号で。

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