「嘘のような本当の話」タバコの煙で人を生き返らせる方法とは?
「奇妙なマナー」
16世紀、イギリスの社交界では、貴族の嗜みとしてタバコが大流行していた。
大のタバコ好きだったエリザベス女王1世の宮廷では、ダンス、馬術などと共にタバコが上流階級の心得としてもてはやされていた。タバコを吸うにしても、貴族たるものいかに上品に吸うかが大切である。面白いことに「上品な喫煙方法」を教える「タバコ塾」というのが、イギリス国内のあちこちで開かれた。
タバコ塾では、喫煙時のエチケットやマナーはもちろんのこと、煙で輪を作る方法や、煙を球にする方法など、まるで飲み会の一発芸のようなことが真剣に伝授されていたのだ。当時の王妃や上流階級の人々が、一生懸命に口から煙の輪を吐き出していたと考えると面白い。マナーっていったい何なんだ。
同じ時期、フランスの貴族の間でもタバコは流行していたが、イギリスとは少し違う。
当時の国王、ルイ13世はタバコが大嫌いだったのだ。
「卑しい身分の者が吸うには構わないが、身分の高い者が口や鼻から煙をだすのは上流階級のこけんにかかわる。」として、タバコをきつく取り締まった。
しかし、おとなしく禁止令に従う者は居ない。
それほどタバコは人々の生活に強烈に根付いていたのだ。煙がだめなら煙を出さなければいいと、国民は煙の出ない「嗅ぎタバコ」へと移行した。この嗅ぎタバコは、「スナッフ」と呼ばれ、人気を博す。
スナッフは、もともとフランス王妃が頭痛薬として使っていたこともあり、「スナッフは薬」という広告で販売されていた。そのため、タバコ反対派の連中も、これを取り締まることはできない。さらに、タバコは下品だと文句を付けられないようにするため、嗅ぎタバコを吸うための洗練されたマナーまで考えられた。「スナッフを鼻から吸ったら、必ずクシャミをしなくてはいけない。」というのが、当時本当にあったマナーである。貴婦人たちは優雅に鼻からタバコを吸いこみ、高貴にクシャミをすることに勤しんでいたという。マナーっていったい何なのだろうか。
奇妙でおかしなマナーとはうって変わって、後半ではかなり過激なタバコの歴史に踏み込んでいこう。
「タバコを使った蘇生方法」である。
万が一のとき、あなたこの蘇生を受けてみたいと思うだろうか。
どうするかはあなた次第。
「喉に休暇をあげよう、新鮮なタバコを吸おう」
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