「美学辞典」について
この本を創作するに於いて著者は、序文で次のように書いてます。
「あるとき美学の教科書を書かないかという依頼を受けた。しかし、当初はまったく意欲を覚えなかった。授業の際に自分で教科書を使ったことがないので、その必要性や有用性を理解することができなかった。・・・教科書という客観性と美学という学問の性質とをどのように調停するか難問と思われた。・・・
客観的な知識と主観的な意見や思想とを区別して呈示し、美学という学問の全体像については、自由な構成できる余地を残すことにした」
目次を見ると、次のようになっています。
Ⅰ 基礎的な諸概念
美学
美
自然美
芸術
Ⅱ 生産に関する諸概念
模倣
表現
即興
図式
想像力
天才
創造・創造性
かたち
・・・・
Ⅲ 消費と再生産に関する諸概念
美的態度
趣味
美的判断
解釈
批評
美的体験
コミュニケーション
辞典のようになってますが、一つ一つのトピックスが随筆のようになっていて、とても有益で、面白く、過去の哲学者、美学者の考えを踏まえて体系的に書かれているので分かりやすくなっています。